
フィンセント・ファン・ゴッホ《ローヌ川の星月夜》1888年
ゴッホの「星月夜」は、もう一枚ある
「ゴッホの《星月夜》」と聞いて、
大きく渦巻く青い空を思い浮かべる人は多いかもしれません。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が所蔵する、1889年の《星月夜》。
でも、その1年前。
ゴッホはすでに、もう一つの「星月夜」を描いていました。
1888年の《ローヌ川の星月夜》。
現在はパリのオルセー美術館が所蔵する作品です。
しかも驚くのは、年代と作品名だけではありません。
2枚を並べてみると、その大きさまでほとんど同じなのです。
1888年、最初の「星月夜」

《ローヌ川の星月夜》が描かれたのは1888年。
油彩・カンヴァスで、大きさは73×92cmです。
翌1889年には、MoMAが所蔵する《星月夜》が描かれます。
こちらは73.7×92.1cm。
《ローヌ川の星月夜》1888年
73 × 92cm
《星月夜》1889年
73.7 × 92.1cm
ほぼ同じ大きさ。
横長のほぼ同じ画面に、ゴッホは2年続けて「星月夜」を残したことになります。
73×92cm。ほぼ同じ画面に、二つの夜

1888年の星月夜
こちらが今回の作品。1888年の《ローヌ川の星月夜》です。原画は73×92cm。現在はオルセー美術館が所蔵しています。

1889年の星月夜
そして翌1889年に描かれたのが、MoMA所蔵の《星月夜》。こちらは73.7×92.1cm。縦横とも、1888年の作品との差は1cmにも届きません。
右の《星月夜》(1889年)は、当店取扱の図版です。
「同じ絵の別バージョン」ではない
大きさはほとんど同じ。
どちらもゴッホが描いた星月夜。
しかし、同じ作品ではありません。
1888年の《ローヌ川の星月夜》はオルセー美術館。
1889年の《星月夜》はMoMA。
制作年も、作品も、現在の所蔵先も異なります。
ほぼ同じ大きさのカンヴァスに、一年違いで二つの「星月夜」が存在している。
2枚を同じ縮尺で並べると、そのことを実際のサイズ感でも比較できます。
この絵は、ゴッホ自身が弟テオへ送った
《ローヌ川の星月夜》の来歴は、ゴッホ本人のところから始まります。
1889年5月2日の少し前。
ゴッホ自身が、この絵を弟テオのもとへ送りました。
ゴッホとテオの間には大量の手紙が残っています。
現在確認されている書簡は903通。
そのうち820通がゴッホ自身の手紙で、最も多く送られた相手がテオでした。
16歳で家を出てハーグの画商に勤めたころから始まった兄弟の文通は、その後も続いていきます。
その弟のもとへ、《ローヌ川の星月夜》も渡ったのです。
そして1889年、人前に展示された
テオへ送られた同じ1889年。
《ローヌ川の星月夜》は、パリのアンデパンダン展に出品されています。
出品番号は272。
つまりこの作品は、
ゴッホが生きているあいだに、展覧会で人前に出た作品です。
現在、美術館で見る作品になる以前から、1889年のパリで観客に公開されていました。
1889年のパリですでに、観客がこの星月夜を見る機会がありました。

「ゴッホは生前、絵が売れなかった」は正確ではない
ゴッホについては、
「生きているあいだに売れた絵は、たった一枚だった」
という話を耳にすることがあります。
しかし、ファン・ゴッホ美術館はこれを否定しています。
生前に売れた作品の正確な数は分かっていませんが、「一枚だけ」ではありません。
確実に記録を追える例の一つが《赤い葡萄畑》。
アンナ・ボックに400フランで売られたことが、ゴッホ本人の手紙、テオの出納帳、当時の雑誌記事から確認されています。
《ローヌ川の星月夜》について今回確認できている資料には、ゴッホ生前の売却記録はありません。
しかし少なくとも、
生前から人前に展示されていた作品
であることは確認できます。
ゴッホの死後、この星月夜はどこへ行ったのか
《ローヌ川の星月夜》は、ゴッホからテオへ渡ったあとも、人から人へ受け継がれていきました。
所蔵先の移り変わりを見る
- 1889年5月2日の少し前
ゴッホ本人から弟テオへ - 1889年
パリのアンデパンダン展に出品
出品番号272 - テオの死後
妻ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルへ - 1905年まで
ヨーが所蔵 - 1905年
アムステルダム市立美術館のゴッホ展に出品
出品番号156 - 1922年6月20日
アムステルダムでバス・フェトのコレクションとして競売
出品番号3 - その後、複数の所有者を経る
- 1975年
カーン=スリベール夫妻からフランス国へ、フェルナン・モック夫妻の思い出として用益権を残す形で寄贈 - 1995年
用益権の終了後、正式にオルセー美術館の所蔵へ
この星月夜は、日本にも来ている
1999年。
《ローヌ川の星月夜》は「夢と現実 オルセー美術館コレクション」展のため日本へ来ています。
展示されたのは、
神戸市立博物館と、東京の国立西洋美術館。
現在はパリにある一枚ですが、日本でも実物が展示された記録があります。
二つの「星月夜」を、同じ大きさで見てみる
1888年。
《ローヌ川の星月夜》
73 × 92cm。
1889年。
《星月夜》
73.7 × 92.1cm。
ほとんど同じ大きさです。
でも、二つは別の作品です。
だからこそ、どちらかを「もう一方の習作」と決めつけるのではなく、
一年違いで描かれた二つの別々の星月夜
として並べることができます。
同じ画家。
ほぼ同じ大きさ。
一年違い。
そして、どちらも夜を描いた作品。
条件がここまで近いからこそ、並べたときには違いも目に入りやすくなります。
「ゴッホの星月夜」と聞いて、一枚だけを思い浮かべていたなら。
《ローヌ川の星月夜》を知ることで、もう一枚の夜が加わります。
1888年に描かれ、
翌年にはゴッホ自身から弟テオへ送られ、
その年のパリで人々の前に展示された一枚。
そして翌1889年には、ほぼ同じ大きさのカンヴァスに、もう一つの《星月夜》が生まれました。
一枚で飾る。
あるいは、二つの星月夜を見比べる。
作品同士のつながりを知ると、飾り方にも別の選択肢が生まれます。
artgraph.では、ご注文ごとに一枚ずつプリントします。
¥1,900 から(A5・フレームなし・税込)
原画は73×92cm
《ローヌ川の星月夜》の原画は、
73 × 92cm。
油彩・カンヴァスです。
額に入った状態では94.5×114cm。
作品そのものは横幅1m弱です。
MoMAの《星月夜》と、ほぼ同じサイズ
MoMAの《星月夜》は73.7×92.1cm。
その差は、
高さ0.7cm。
横幅0.1cm。
原画の寸法だけを比べれば、ほとんど同じです。
2作品を組み合わせて見せる場合には、この近いサイズ感そのものも面白い比較になります。
置いてみる
どのくらいの大きさになるか
サイズと額装を変えると、見え方がその場で変わります。お部屋の写真に合わせて確かめてください。

壁の主役にするなら B2 以上、机や棚の上に置くなら A4〜A3 が扱いやすい寸法です。数字だけではつかみにくいので、スマートフォンのカメラで原寸を自分の壁に置いて確かめられます。
受け取るもの
夜の一枚を、部屋の中へ

用紙
EPSON のアート紙・190g/m²。表面がマットで、光を反射しにくい紙です。
印刷
ジークレープリント。在庫を持たず、ご注文のたびに1枚ずつ出力します。


色
artgraph.の商品は、原本画像に記録された色や明暗をプリントするものです。
選ぶ
サイズと価格
| サイズ | 用紙寸法 | 価格(フレームなし・税込) |
|---|---|---|
| A5 | 148 × 210 mm | ¥1,900 |
| A4 | 210 × 297 mm | ¥2,400 |
| B4 | 257 × 364 mm | ¥2,800 |
| A3 | 297 × 420 mm | ¥3,800 |
| B3 | 364 × 515 mm | ¥4,200 |
| A2 | 420 × 594 mm | ¥4,800 |
| B2 | 515 × 728 mm | ¥5,800 |
| A1 | 594 × 841 mm | ¥6,800 |
| B1 | 728 × 1030 mm | ¥7,800 |
絵柄の縦横比は作品ごとに違うため、用紙のどこまで絵が入るかも作品×サイズごとに変わります。この作品の実寸と余白は、商品ページの「サイズ・価格表」でご確認いただけます。「余白あり」と「余白なし」を選べます。
選ぶ理由
同じ絵でも、どこで刷るかで変わります
- 用紙と印刷方式を公開しています(アート紙190g/m²・ジークレープリント)。
- A5からB1まで9サイズ、額装7種から選べます。壁に合わせて決められます。
- ご注文を受けてから1枚ずつ刷る受注生産です。刷ってから送ります。
- 原画の情報(制作年・所蔵先)を作品ごとに載せています。当社は各所蔵先と提携しておりません。プリントはパブリックドメインの図版をもとに当社が制作しています。
お届け
注文から届くまで
| 出荷まで(フレームなし) | 3営業日 |
|---|---|
| 出荷まで(額装込み) | 10営業日 |
| 配送料 | 11,000円以上のご注文は無料 |
| お届け先 | 日本国内 |
土日祝日・弊社休業日を除く営業日数です。繁忙期はお時間をいただく場合があります。 返品・交換の条件は返品ポリシー、事業者の表示は特定商取引法に基づく表記をご確認ください。
最後に、もう一度この作品を見てみてください。

1888年。
ゴッホは一枚の「星月夜」を描きました。
その絵は翌年、弟テオのもとへ送られます。
そして1889年、パリのアンデパンダン展へ。
ゴッホが生きているあいだに、人々が見ることのできた星月夜でした。
その同じ年。
ゴッホは、もう一枚の《星月夜》を描きます。
73×92cm。
73.7×92.1cm。
ほぼ同じ大きさの二つの画面に、二つの夜。
有名な《星月夜》を知っているからこそ、その一年前に描かれたこの夜も、もう一度見てみたくなります。
¥1,900 から(A5・フレームなし・税込)
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出典
・Musée d’Orsay, “La Nuit étoilée,” Vincent van Gogh, 1888, RF 1975 19
・The Museum of Modern Art (MoMA), “The Starry Night,” Vincent van Gogh, 1889, 472.1941
・Van Gogh Museum, “The Life of Vincent van Gogh, 1853–1890”
・Van Gogh Museum, “Van Gogh’s Letters”
・Van Gogh Museum, “How Many Paintings Did Vincent Sell during His Lifetime?”
※制作年、寸法、テオへの移動、1889年アンデパンダン展への出品、その後の来歴はオルセー美術館の作品記録に基づきます。
※「生前に売れた作品は一枚だけ」という説については、ファン・ゴッホ美術館が否定しています。ただし、《ローヌ川の星月夜》そのものが生前に売却されたという意味ではありません。
図版について:《ローヌ川の星月夜》の全図と切り出しは、当社が印刷に用いている原版からのもので、加工も生成もしていません。1889年の《星月夜》の図版は、当社が販売する《星月夜》の印刷原版からのものです。duoの背景とヒーローの背景も、《ローヌ川の星月夜》の原版からの切り出しです。ヒーローの額装イメージは、当社が販売する額装プリントの3Dモデルを描き出したものです(生成AIではありません)。
当社は各所蔵先と提携しておりません。


