Alexandre Cabanel(アレクサンドル カバネル)は、19世紀フランスを代表する画家であり、アカデミスム絵画の巨匠として知られています。神話や歴史、宗教を題材にした作品が多く、写実的な描写と理想化された美を追求した画風が高く評価されています。

アレクサンドル・カバネル 経歴

• 1823年9月28日、フランス南部のモンペリエに生まれる
• 1845年にローマ賞を受賞し、イタリア留学を経て画壇での地位を確立
• 1863年にエコール・デ・ボザール教授に就任し、多くの弟子を育成
• 1889年1月23日、パリにて死去(享年65歳)

代表作品

• 『ヴィーナスの誕生』(The Birth of Venus) (1863年)
• 『堕落天使』(The Fallen Angel) (1847年)
• 『クレオパトラの死』(The Death of Cleopatra) (1874年)
• 『フローラ』(Flora) (1875年)

カバネルの画風は、緻密なデッサン力と卓越した色彩感覚が特徴的です。神話や歴史に登場する人物を理想化された美しさで描き出し、官能性と静謐さを兼ね備えた作品を数多く生み出しました。

代表作の『ヴィーナスの誕生』では、なめらかな肌と優美な曲線で女神の官能美を表現しています。また、『堕落天使』では、劇的な光と影の対比によって堕天使の悲劇的な運命を描き出しています。

カバネルは生前は高い評価を得ていましたが、印象派の台頭とともにその人気は衰退しました。しかし、近年再評価が進み、アカデミスム絵画を代表する画家としてその功績が見直されています。その洗練された技術と理想美を追求した作品は、現代においても見る者を魅了し続けています。