Francesco Bartolozzi(フランチェスコ バルトロッツィ)

フランチェスコ・バルトロッツィ（1725-1815）は、イタリア出身の版画家、画家です。彼は、歴史画や神話画の主題を扱ったエッチングやドローイングで知られています。その作品は、精緻な線描と繊細な陰影表現が特徴で、古典的な美と優雅さを湛えています。

フランチェスコ・バルトロッツィ 経歴

• 1727年9月21日、イタリアのフィレンツェに生まれる。
• フィレンツェで絵画と版画を学ぶ。
• 1764年、イギリスに渡り、ジョヴァンニ・バッティスタ・チプリアーニと共に働く。
• スティップル・エングレービング技法の開発に貢献し、その技術を駆使した作品を数多く制作。
• 1768年、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの創立メンバーとなる。
• 1802年、ポルトガルに移住。
• 1815年3月7日、リスボンで死去（享年87歳）。

代表作品

• 版画:

  • 『キューピッドとプシュケ』（Cupid and Psyche）(1780年代)
  • 『ヴィーナスとアドニス』（Venus and Adonis）(1780年代)
  • 『聖母子と幼児聖ヨハネ』（The Virgin and Child with the Infant St. John）(1790年代)

• 素描:

  • 『牧歌的な風景』（Pastoral Landscape）
  • 『神話的な場面』（Mythological Scene）

バルトロッツィの画風と業績

バルトロッツィの作品は、精緻な線描と繊細な陰影表現が特徴です。彼は、歴史画や神話画の主題を、古典的な美と優雅さを追求したスタイルで描き出しました。特に、彼が開発したスティップル・エングレービング技法は、点描によって微妙な階調を表現することを可能にし、彼の作品に独特の繊細さと柔らかさを与えています。

バルトロッツィは、イギリスで活躍し、当時の美術界に大きな影響を与えました。彼の作品は、貴族や知識階級の間で人気を博し、多くのコレクターが彼の版画を収集しました。また、彼は、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの創立メンバーとして、イギリス美術の発展にも貢献しました。

バルトロッツィは、18世紀を代表する版画家の一人であり、その作品は、古典的な美と洗練された技術によって、現代においても高く評価されています。