Charles Melville Scammon(チャールズ メルヴィル スキャモン)

チャールズ・メルヴィル・スキャモン（1825-1911）は、アメリカの捕鯨船船長であり、博物学者でもありました。彼の著書『北アメリカの西海岸における鯨類およびその他の海洋哺乳類の自然史』（1872年）は、捕鯨船員としての彼自身の観察に基づいて書かれた、捕鯨史において見逃せない重要な一冊です。

チャールズ・メルヴィル・スキャモン 経歴

• 1825年5月28日、アメリカ・メイン州ピッツトンに生まれる。
• 10代の頃から船乗りとして活躍し、後に捕鯨船の船長となる。
• 北米西海岸を中心に、長年にわたり捕鯨に従事。
• 捕鯨の傍ら、鯨類をはじめとする海洋哺乳類の観察と研究を行う。
• 1872年、『北アメリカの西海岸における鯨類およびその他の海洋哺乳類の自然史』を出版。
• 1911年5月2日、カリフォルニア州オークランドで死去（享年85歳）。

代表作品

• 『北アメリカの西海岸における鯨類およびその他の海洋哺乳類の自然史』(Natural History of the Cetaceans and other Marine Mammals of the Western Coast of North America) (1872年)

スキャモンの業績と影響

スキャモンの著書『北アメリカの西海岸における鯨類およびその他の海洋哺乳類の自然史』は、彼の長年の捕鯨経験と観察に基づいて書かれた、鯨類やアザラシなどの海洋哺乳類に関する貴重な記録です。

本書には、様々な海洋哺乳類の形態、生態、行動、そして捕鯨の方法などが、詳細なイラストや図版とともに解説されています。特に、彼が発見し、その名にちなんで「スキャモンズ・ラグーン」と呼ばれるようになったコククジラの繁殖地に関する記述は、海洋生物学の研究に大きく貢献しました。

スキャモンの著作は、捕鯨の歴史を理解する上でも重要な資料となっています。彼は、捕鯨船員としての視点から、当時の捕鯨の様子や、鯨類の生態系への影響などを克明に記録しました。

スキャモンは、捕鯨船船長としてだけでなく、優れた観察眼と記録能力を持つ博物学者でもありました。彼の作品は、海洋生物学の発展に貢献しただけでなく、自然保護の重要性を訴える上でも大きな役割を果たしました。