La Decoration Arabe(アラブの装飾)

作品

La Décoration Arabe (アラブの装飾)

『アラブの装飾』は、フランスの考古学者であり建築家でもあったエミール・プリス・ダヴェンヌ（1807-1879）による、アラブ美術の装飾パターンを記録した作品集です。1885年のオリジナル版から、アラビアのインテリアパターンを描いた石版画をデジタル技術で高精細化し、その複雑な美しさを現代に蘇らせました。

エミール・プリス・ダヴェンヌ 経歴

• 1807年、フランスのアヴェンヌに生まれる。
• 軍人としてのキャリアを経て、エジプト学に転身。
• 1830年代から1840年代にかけて、エジプトで数多くの遺跡や遺物を調査・記録。
• 1840年代後半、フランスに戻り、エジプト美術に関する研究書や図版集を出版。
• 1879年、死去（享年72歳）。

代表作品

• 『エジプト美術史』(Histoire de l'art égyptien) (1878年)
• 『アラブの装飾』(L'Art arabe d'après les monuments du Kaire) (1869-1877年)

本書の特徴と影響

『アラブの装飾』は、プリス・ダヴェンヌがエジプト滞在中に収集した、イスラム建築の装飾パターンを記録した貴重な資料です。緻密な幾何学模様やアラベスク、カリグラフィーなどが、美しい石版画で再現されています。

これらの図版は、イスラム美術の装飾様式の多様性と洗練された美しさを示しており、西洋の芸術家やデザイナーに大きな影響を与えました。特に、アール・ヌーヴォーやアール・デコなどの美術運動において、イスラム美術の文様は重要なインスピレーション源となりました。

『アラブの装飾』は、イスラム美術の装飾様式を体系的にまとめただけでなく、その美しさを通して、異文化理解と芸術交流を促進しました。