The Naturalists' Miscellany or Coloured Figures of Natural Objects(博物学者の雑品または自然物の彩色図)

『博物学者の雑品または自然物の彩色図』は、18世紀末から19世紀初頭にかけてイギリスで刊行された、博物学に関する定期刊行物です。ジョージ・ショーとフレデリック・ポリドール・ノッダーが中心となり、世界中の動植物や鉱物を美しい手彩色図版で紹介しました。本作品は、科学的な正確性と芸術的な美しさを兼ね備え、博物学の発展に大きく貢献しました。

『博物学者の雑品または自然物の彩色図』 

• 1789年、刊行開始
• ジョージ・ショーが編集・執筆、フレデリック・ポリドール・ノッダーが図版を担当
• 1813年、ノッダーの死去により刊行終了
• 全24巻、計1068の手彩色図版を収録

代表作品（図版）

• 『オオハシ』（Toco Toucan）
• 『アカショウビン』（Ruddy Kingfisher）
• 『オオコウモリ』（Large Flying Fox）
• 『オオベソオウムガイ』（Great Chambered Nautilus）

本作品の特徴と影響

『博物学者の雑品または自然物の彩色図』は、その名の通り、世界中の多種多様な自然物を網羅しています。鳥類、哺乳類、魚類、昆虫、植物、鉱物など、あらゆる分野の標本が、詳細な観察に基づいた正確な描写と、鮮やかな色彩で描かれています。

特に、ノッダーの手彩色図版は、その芸術性の高さで知られています。彼は、対象物の形態や色彩だけでなく、その生態や特徴をも巧みに表現し、科学的な価値と芸術的な美しさを兼ね備えた作品を生み出しました。

本作品は、19世紀の博物学の発展に大きく貢献しました。その美しい図版と詳細な解説は、多くの科学者やアマチュア博物学者に愛され、自然界への理解を深める上で重要な役割を果たしました。また、その芸術性の高さから、現代でも美術愛好家やコレクターに人気があります。

『博物学者の雑品または自然物の彩色図』は、自然科学と芸術の融合が生み出した、まさに「博物学の至宝」と言えるでしょう。