Maurice Denis(モーリス ドニ)

モーリス・ドニは、19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したフランスの画家、美術理論家です。ナビ派の中心人物として、象徴主義や宗教的主題を、平面的で装飾的なスタイルで表現しました。彼の作品は、鮮やかな色彩と明確な輪郭線、そして宗教的なシンボリズムが特徴です。

モーリス・ドニ 経歴

• 1870年11月25日、フランス・グランヴィルに生まれる
• 1888年、パリに出てアカデミー・ジュリアンで学ぶ
• 1890年、ナビ派結成に参加
• 1890年代、宗教的主題や象徴主義的な作品を制作
• 1900年代以降、壁画や装飾芸術にも取り組む
• 1943年11月13日、パリで死去（享年72歳）

代表作品

• 『聖なる森の中のミューズたち』（The Muses in the Sacred Grove） (1893年)
• 『カトリックのミューズたち』（The Catholic Muses） (1895年)
• 『四月』（April） (1892年)
• 『受胎告知』（The Annunciation） (1913年)

ドニの画風と業績

ドニの作品は、平面的で装飾的なスタイルと、鮮やかな色彩、明確な輪郭線が特徴です。彼は、象徴主義や宗教的主題を、独自の解釈で表現しました。彼の作品は、一見すると単純化された形と色使いに見えますが、深い精神性と象徴的な意味を含んでいます。

ドニは、ナビ派の中心人物として、絵画における色彩の重要性を主張し、「絵画とは、ある秩序のもとに集められた色彩によって覆われた平坦な表面である」という有名な言葉を残しました。彼の理論は、後の抽象絵画の発展にも影響を与えました。

ドニは、絵画だけでなく、壁画やステンドグラス、タペストリーなどの装飾芸術にも取り組み、総合的な芸術を目指しました。彼の作品は、宗教的なテーマだけでなく、日常生活の風景や家族の肖像なども描き、幅広い層の人々に親しまれています。