Fra Angelico(フラアンジェリコ)

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フラ・アンジェリコフラ・アンジェリコは、15世紀のイタリア初期ルネサンスを代表する画家です。ドミニコ会の修道士（フラ）であり、その敬虔な信仰心から生み出された、清らかで光に満ちた宗教画で知られています。ゴシック様式の優雅さとルネサンスの新しい写実表現を融合させ、神聖な主題をこの上なく穏やかで美しく描き出しました。フラ・アンジェリコ経歴 1400年頃：フィレンツェ近郊のヴィッキ

フラ・アンジェリコ

フラ・アンジェリコは、15世紀のイタリア初期ルネサンスを代表する画家です。ドミニコ会の修道士（フラ）であり、その敬虔な信仰心から生み出された、清らかで光に満ちた宗教画で知られています。ゴシック様式の優雅さとルネサンスの新しい写実表現を融合させ、神聖な主題をこの上なく穏やかで美しく描き出しました。

フラ・アンジェリコ経歴

1400年頃：フィレンツェ近郊のヴィッキオ・ディ・ムジェッロで、グイド・ディ・ピエトロとして生まれる。
1418年頃：写本装飾家として活動していた記録が残る。
1420-22年頃：フィエーゾレのドミニコ会修道院に入り、修道士となって「フラ・ジョヴァンニ」と名乗る。
1436年：フィレンツェのサン・マルコ修道院が彼の属するドミニコ会派に与えられ、移り住む。
1438-47年頃：サン・マルコ修道院の祭壇画や、修道士たちが瞑想するための各僧坊の壁に、受胎告知やキリストの生涯などを主題とした感動的なフレスコ画を多数制作する。
1445年：ローマに招かれ、教皇エウゲニウス4世の命によりヴァチカン宮殿の礼拝堂の装飾を手がける（現存せず）。
1452年：フィエーゾレの修道院長に選出される。
1455年2月18日：ローマのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会内のドミニコ会修道院で死去。
1982年：教皇ヨハネ・パウロ2世により福者に列せられる。「アンジェリコ（天使のような）」という通称はその人柄と作品に由来する。

代表作品

『リナイウオーリの祭壇画』（1433年）
『受胎告知』（プラド美術館蔵）（1425-28年頃）
サン・マルコ修道院のフレスコ画群（1438-47年頃）
- 『受胎告知』（階段上）
- 『聖母戴冠』
- 『ノリ・メ・タンゲレ（我に触れるな）』
『キリスト降架』（1432-34年頃）
ヴァチカン宮殿ニコラウス5世礼拝堂のフレスコ画（1447-49年頃）

フラ・アンジェリコの芸術は、中世後期の国際ゴシック様式に見られる、金箔を多用した装飾性や優美な人物表現を受け継ぎつつ、マサッチオなどが切り開いたルネサンスの新しい空間表現や人間描写を取り入れています。彼の作品は、明るく澄んだ色彩と、まるで天国から降り注ぐかのような柔らかな光の表現に最大の特徴があります。

人物像は気高く穏やかで、深い精神性に満ちています。特にサン・マルコ修道院の僧坊に描かれたフレスコ画群は、華美な装飾を排し、修道士たちの祈りと瞑想を助けるために、静謐で簡潔な構図で描かれています。その作品は、画家の敬虔な信仰がそのまま画面に昇華されたものであり、観る者に深い感動と安らぎを与えます。彼の画風は、ルネサンスにおける宗教画の一つの理想形として、後世の画家に大きな影響を及ぼしました。