ジェームズ・ボルトン（1735-1799）は、イギリスの芸術家、彫刻家、そして独学の植物学者でした。彼は菌類学者であり、イギリス初の菌類に関する書籍を含むいくつかの植物学書の著者でもあります。彼の兄弟トーマス・ボルトンも博物学者であり、二人とも美術品と自然史のコレクターであるポートランド公爵夫人マーガレット・キャベンディッシュ・ベンティンクの後援を受けていました。

ジェームズ・ボルトン 経歴

• 1735年、イギリスのウェスト・ヨークシャー州ワーレイ近郊に生まれる
• 織物職人としてキャリアをスタートするが、後に独学で美術教師となる
• 最終的には故郷のワーレイでパブ経営者となる
• 菌類学者として成功を収め、イギリス初の菌類に関する書籍を含むいくつかの植物学書を出版
• 1799年1月7日、死去（享年約63～64歳）

代表作品

• 『Filices Britannicae: An History of the British Proper Ferns』(1785年)
• 『An History of Fungusses growing about Halifax』(1788–1791年)

ボルトンの画風と業績

ボルトンは独学の植物学者でありながら、その観察眼と描写力で、植物、特に菌類の細部まで正確に捉えた美しいイラストレーションを制作しました。彼の作品は、科学的な正確性と芸術的な美しさを兼ね備えており、植物学の研究に貢献するだけでなく、美術愛好家にも高く評価されています。

彼は、イギリス初の菌類に関する書籍を出版するなど、菌類学の分野で先駆的な役割を果たしました。また、彼の植物画は、その後の植物図鑑や美術作品に大きな影響を与えました。

ボルトンは、情熱的な自然愛好家であり、その観察と記録は、イギリスの自然史、特に植物学の発展に大きく貢献しました。彼の作品は、現代の私たちにも自然界の美しさと多様性を再認識させてくれます。