Raising of Lazarus - ジョット ディ ボンドーネ Poster.

ジョット・ディ・ボンドーネ 経歴

• 1267年頃、フィレンツェ近郊のヴェスピニャーノに生まれる
• 1280年頃、チマブーエの工房に入門し、絵画の修行を積む
• 1290-1295年頃、アッシジのサン・フランチェスコ聖堂上堂のフレスコ画装飾に携わる（ジョットの関与については議論あり）
• 1303-1305年頃、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂に、『聖母マリアの生涯』と『キリストの生涯』を主題とするフレスコ画を制作
• その後、フィレンツェ、ローマ、ナポリなど、各地で制作活動を行う
• 1334年、フィレンツェ大聖堂の造営主任に任命され、鐘楼の建設を指揮
• 1337年1月8日、フィレンツェにて死去(享年70歳頃)

代表作品

• スクロヴェーニ礼拝堂フレスコ画 (1303年-1305年頃)
• 『ユダの接吻』(The Kiss of Judas) (スクロヴェーニ礼拝堂フレスコ画の一部)
• 『キリストの哀悼』(The Lamentation) (スクロヴェーニ礼拝堂フレスコ画の一部)
• 『オニサンティの聖母』(Ognissanti Madonna) (1310年頃)
• 『聖痕を受ける聖フランチェスコ』(Saint Francis Receiving the Stigmata) (1295年-1300年頃)

ジョット・ディ・ボンドーネの芸術

ジョットの芸術の最も重要な特徴は、それまでのビザンティン美術の硬直した平面的な人物表現から脱却し、自然主義的で人間味あふれる人物描写を実現したことです。特に、登場人物の感情を、その表情や身振りによって生き生きと表現する手法は、それまでの絵画には見られないものでした。また、空間表現においても革新的であり、奥行きのある空間を感じさせることに成功しています。これらの特徴は、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂のフレスコ画に顕著に表れており、聖母マリアやキリストの生涯の物語を、見る者が共感できるような、人間味あふれるドラマとして描き出しました。

ジョット・ディ・ボンドーネの影響と後世への評価

ジョットは、その革新的な芸術によって、西洋絵画の流れを大きく変えました。その自然主義的な人物表現と空間描写は、後のルネサンスの画家たちに多大な影響を与え、特にマサッチオはジョットの芸術を深く研究したとされています。今日、ジョットは、ルネサンス絵画の祖として、西洋美術史上最も重要な画家の1人に数えられています。「自然主義」「人間味あふれる人物描写」「感情表現」「空間表現」「スクロヴェーニ礼拝堂」「フレスコ画」などのキーワードは、ジョットの芸術を理解する上で重要な要素です。その作品は、西洋絵画の歴史の出発点として、今なお多くの人々を魅了し続けています。