ポール・シニャックは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家です。点描画法を発展させ、新印象主義運動の中心的存在となりました。
ポール・シニャック 経歴
- 1863年11月11日、パリに生まれる
- 1884年頃から点描画法に着手し、新印象主義の手法を確立
- 1886年にアンリ・エドモン・クロス、アルベール・デュブア=ピユらと新印象主義集団を結成
- 1892年に新印象主義の旗手としての地位を確立
- 1935年8月15日、パリ近郊で没(享年71歳)
代表作品
- 『遊覧船アノックール』(The Anoockoor at Aunay-sur-Ance) (1887年)
- 『聖トロペ、松とアーチ』(The Pine Tree at St. Tropez) (1909年)
- 『カーサとピラミッド、ポール・シニャックの肖像』(The Demolisher and Pyramide du Louvre) (1909年)
- 『サン・トロペ湾、朝』(The Dining Room) (1886年)
シニャックは、科学的手法に基づく点描画法を徹底的に追求しました。遠近感を排除し、補色の点を等間隔に配置することで、新たな光と色の調和を生み出しました。
初期の代表作『遊覧船アノックール』では、点描画法による色鮮やかな風景表現が確立されています。後期には、対象を細かな点の集合体として捉える手法を貫きました。
シニャックは理論的な点描画法の手法を築き上げ、後に分割主義やキュビスムなどの抽象化の運びとなった新印象主義の中心的存在でした。