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ゴッホ『タンギー爺さん』は2枚ある?なぜ浮世絵なのか日本との関係をひも解く!

ゴッホ『タンギー爺さん』は2枚ある?なぜ浮世絵なのか日本との関係をひも解く!

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ゴッホの『タンギー爺さん』は、「2枚ある」という認識が一般的ですが、実際は合計3枚制作されました。

最も有名な作品の背景には、鮮やかな日本の浮世絵が描かれています。

こんにちは!artgraph.店長のマツムラが解説です。

本記事では、ゴッホがなぜ『タンギー爺さん』を描き、さらに日本の浮世絵に影響を受けたのかを解説します。
具体的には、作品の背景や制作時期の違い、浮世絵との関係性、ゴッホの日本文化への憧れと影響の実態をひも解きながら、あなたの疑問に答えていきます。

この記事を読めば、ゴッホ作品に隠された日本とのつながりや、2枚ある理由まで理解が深まるでしょう。

ゴッホ『タンギー爺さん』は全部で3枚!違いは何?

『タンギー爺さん』はゴッホによって制作された3枚の油彩画で、それぞれ微妙に異なる色彩や表現を持っています。
1枚目は落ち着いた色調で温かみがあり、2枚目は鮮やかで浮世絵風の構図が反映され、3枚目は習作的で表情の描写に重点が置かれています。
これらの違いから、ゴッホの制作意図や画風の変化が読み取れます。

ゴッホ『タンギー爺さん』1枚目

ゴッホ『タンギー爺さん』1枚目(1887年)所蔵:ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(デンマーク)
ゴッホ『タンギー爺さん』1枚目(1887年)
所蔵:ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(デンマーク)
出典:アートの聖書

1枚目は1888年、アルル滞在中に制作されました。穏やかな光と柔らかい色彩で、モデルの人柄や温かみを丁寧に表現しています。
背景はシンプルで、人物に視線が集中する構図となっており、ゴッホの人物画へのこだわりが感じられる作品です。

ゴッホ『タンギー爺さん』2枚目

ゴッホ『タンギー爺さん』2枚目(1887年)所蔵:ロダン美術館(フランス)
ゴッホ『タンギー爺さん』2枚目(1887年)
所蔵:ロダン美術館(フランス)

2枚目は1枚目を基に制作され、色彩がより鮮やかになっています。
背景や衣装に浮世絵の影響が見られ、平面的で大胆な色使いが特徴です。
ゴッホはこの作品で、人物の個性を強調しつつ、日本的な美意識を取り入れる試みを行いました。

ゴッホ『タンギー爺さん』3枚目

ゴッホ『タンギー爺さん』3枚目(1887年)所蔵 スタブロス・ニアルコス・コレクション
ゴッホ『タンギー爺さん』3枚目(1887年)
所蔵 スタブロス・ニアルコス・コレクション

3枚目は習作として描かれ、線の柔らかさや表情の変化が際立ちます。
完成度よりも人物の特徴を掴むことに重点が置かれており、ゴッホの観察力や制作過程を知る手がかりとなる作品です。
3枚を比較することで画家の思考の変化も見えてきます。

ゴッホ『タンギー爺さん』のモデルは?

ゴッホが描いた『タンギー爺さん』のモデルは、アルルの地域社会で長年親しまれていた実在の老人、ジュリアン・タンギーです。
70代後半で温厚な性格を持ち、地域の人々から慕われていました。
ゴッホはその人柄や穏やかな表情に魅力を感じ、人物像を通して日常の温かさや人間らしさを描き出しました。

タンギー爺さんのプロフィール

タンギー爺さんはアルルの商人で、長年地元で活動してきた人物です。
顔立ちや雰囲気に特徴があり、ゴッホはその温かみと落ち着きのある表情を絵画に反映しました。
人物画を通じて、日常の尊さや人間性の魅力を表現することが目的でした。

タンギー爺さんの経歴と功績

タンギー爺さんは地域社会に貢献し、長年商売を営んできた人物です。
ゴッホは単なる肖像画ではなく、その経歴や生活感を作品に取り入れ、人物の内面社会的背景を表現する手法を用いました。
これにより絵に深みが加わっています。

なぜゴッホはタンギー爺さんを描いたのか?

ゴッホは人間の温かさや日常の尊さを表現したいという思いから、タンギー爺さんを題材に選びました。
彼の穏やかな表情や親しみやすい雰囲気は、ゴッホが求めた「生き生きとした人物像」に合致しており、人物画を通じて心象風景を描き出す試みが見られます。

ゴッホ『タンギー爺さん』の背景が浮世絵の理由

ゴッホが『タンギー爺さん』の背景に浮世絵を取り入れたのは、当時のヨーロッパで流行していたジャポニスムの影響です。

ゴッホは、日本の浮世絵が持つ鮮やかな色彩や平坦な構図に魅了され、自身の絵画に新しい表現を取り入れようと熱心でした。
特に、パリで画材屋を営んでいたタンギー爺さんは、ゴッホの理解者であり、彼が収集していた浮世絵を背景に描くことで、敬意を表しつつ、異文化への強い関心と革新的な画風を表現したのです。
この浮世絵の要素は、彼の作品に東洋的な魅力と装飾性を加えています。

ゴッホ『タンギー爺さん』のモデルになった浮世絵一覧

『タンギー爺さん』の背景には、ゴッホが深く魅了された日本の浮世絵が描かれています。

ゴッホはパリ時代、浮世絵を数百枚も収集し、その鮮やかな色彩や構図から多くを学びました。
本作の背景にも、実際に所蔵していた浮世絵を模写するように描き込んでいます。
ここでは、モデルとなったとされる代表的な5枚の浮世絵を紹介し、それぞれがどのようにゴッホの絵に影響を与えたのかを見ていきましょう。

二代目歌川豊国 『三世岩井粂三郎の三浦屋高尾』

出典:美術館資料どっとこむ

豊国の人物描写は衣装や立ち姿の特徴があり、ゴッホの人物画に影響を与えました。
タンギー爺さんに左側に描かれているのは三世岩井粂三郎の三浦屋高尾です。
豊国の作品は、人物の存在感や表情の表現において参考となり、ゴッホの画風形成に寄与しました。

作者不詳 『東京名所 いり屋』

出典:国立国会図書館

背景の簡略化や色彩の対比が、ゴッホの構図や色使いに影響しています。
三世岩井粂三郎の三浦屋高尾の下にあるのがこちらの花です。
浮世絵特有の平面的表現を取り入れることで、人物の存在感をより強調する手法が見られます。

歌川広重 『富嶽三十六景 相模川』

出典:浮世絵検索

広重の風景表現は遠近感と構図の工夫が特徴で、ゴッホは人物画の背景に奥行きやリズム感を取り入れる際に参考にしました。
自然の描写と人物の融合がゴッホ作品に反映されています。

歌川広重 『東海道五十三次名所図会 石楽師』

出典:藤沢浮世絵会館

旅行者の視点で描かれる広重の作品は、人物と背景の関係を考えるヒントとなりました。
タンギー爺さんの右上に描かれているのはこちらのです。
ゴッホはこうした視点を参考にして、作品に動きと奥行きを加えています。

渓斉英泉 『雲龍打掛の花魁』

出典:千葉市美術館

英泉の大胆な色彩と装飾の表現は、ゴッホの衣装描写や人物の印象づけに影響しています。
タンギー爺さんの右側に描かれているのがこの花魁です。
色使いやデザイン感覚を取り入れることで、より印象的な人物像が生まれました。

ゴッホ『タンギー爺さん』はどこで見れる?

『タンギー爺さん』の作品は主にヨーロッパの美術館に所蔵されています。
展覧会などで公開されることもあるため、訪問前には各美術館の公式情報を確認すると良いでしょう。
現地で実物を見ることで、画家の意図や細部の表現を直接感じ取ることができます。

ゴッホ『タンギー爺さん』まとめ

ゴッホの『タンギー爺さん』は3枚存在し、色彩表情に違いがあることで、制作意図や画風の変化を読み取れます。
背景には浮世絵の影響が見られ、日本文化への憧れが反映されています。
作品の背景やモデルを理解することで、ゴッホが人物画に込めた深い思いをより感じられるでしょう。

自宅で簡単に楽しむ方法としてアートポスターを家に飾るということも可能です。

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