「オリエンタリズムってどういう意味?」
「エキゾチシズムとオリエンタリズムって何が違うの?」
ーーといった疑問にお答えします。
18世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパのアート界において、エキゾチックな東洋世界への人気が高まりました。
オリエンタリズム(Orientalism)と呼ばれるこのムーブメントは、西洋の芸術家たちが東洋を題材に、彼らの独自の想像力とロマンティックな視点を通して描いた作品群です。
本記事では、オリエンタリズムの特徴や歴史的背景、代表的な芸術家と作品、そして現代におけるオリエンタリズムの影響について解説していきます。
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オリエンタリズムの意味とは? - 西洋から見た東洋

オリエンタリズム(Orientalism)とは、18世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパの美術、文学、文化において、東洋世界に対する憧れを反映したムーブメントです。
オリエンタリズムは、単なる東洋の描写ではなく、西洋の人々が東洋に対して抱いていたイメージやステレオタイプ、ファンタジーを反映しています。彼らは、東洋を、神秘的でエキゾチックな、そしてエロティックな場所として捉えました。
オリエンタリズムの作品には、ハーレム、奴隷市場、エキゾチックな衣装、広大な砂漠の風景などが登場し、西洋の人々の東洋に対する憧憬とエキゾチシズムを表現しています。
オリエンタリズムの特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- ロマン主義: オリエンタリズムは、ロマン主義運動の影響を受け、感情や想像力を重視しました。芸術家たちは、東洋を、神秘と冒険に満ちた場所として描き、彼らの未知の世界への憧れを表現しました。ドラクロワの『The Death of Sardanapalus』は、古代アッシリアの王の悲劇的な死を描いた作品で、ドラマと情熱に満ちたロマン主義絵画の傑作です。しかし、この作品は、歴史的な正確さよりも、ドラマとエキゾチシズムを優先しているという批判もあります。
- ステレオタイプ: オリエンタリズムの作品には、東洋に対するステレオタイプが反映されている場合が多くあります。東洋の人々は、受動的で官能的、非理性的で神秘的な存在として描かれることがありました。また、東洋社会は、停滞していて未開のものとして描かれることもありました。これらのステレオタイプは、西洋の優位性を正当化するために利用されたという指摘もあります。
オリエンタリズムの歴史 - 東洋への憧憬と植民地主義
オリエンタリズムは、18世紀に、ヨーロッパ列強が、アジアやアフリカへの植民地支配を進める中で発展しました。
東洋への貿易や旅行が盛んになるにつれ、西洋の人々は、東洋の文化や美術に触れる機会が増えました。彼らは、東洋のエキゾチックな文化に魅力を感じ、美術のモチーフとして取り入れるようになりました。
また、ロマン主義運動の影響もあり、芸術家たちは、感情や想像力を重視し、東洋をロマンティックで神秘的な場所として描くようになりました。しかし、オリエンタリズムは、西洋の植民地支配とも深く結びついていました。オリエンタリズムの作品は、しばしば、東洋を劣った存在として描き、西洋の植民地支配を正当化するイデオロギーとして利用されました。
オリエンタリズムとエキゾチシズムの違い
オリエンタリズムとよく似ている言葉に「エキゾチシズム」というのがあります。
この2つはよく似ているようで、若干意味合いが異なります。表で比較してみましょう。
| 項目 | エキゾチシズム (Exoticism) | オリエンタリズム (Orientalism) |
| 主な動機 | 純粋な憧れ、好奇心、美的な魅力 | 支配、優越意識、政治的・文化的な偏見 |
| 力の関係 | 対等または純粋な関心。支配構造を含まない。 | 西洋が東洋を「他者」として見下す、支配構造が背景にある。 |
| 範囲 | 特定の地域に限定されず、自分から遠いもの全般。 | 主に西洋から見た東洋(オリエント)。 |
| 核心 | 異国情緒をロマンティックに理想化する。 | ステレオタイプで東洋を捉え、「自己(西洋)」の優位性を強調する。 |
エキゾチシズムは、単純に遠い国や異文化の事物に対する憧れや異国情緒を愛好する心境、またはその趣味を指します。
「異国趣味」「異国情緒」といった意味合いで、距離や時間的に離れたものへのロマンティックな理想化や好奇心が強い傾向にあります。純粋な美的な魅力や目新しさに惹かれます。
日本の浮世絵に強く影響を受けたヨーロッパの画家たち(ゴッホやモネなど)の「ジャポニスム」
一方、オリエンタリズムは同じく「東洋趣味」を意味しますが、エキゾチシズムよりも政治的・権力的な背景が深く関わります。
特に19世紀のヨーロッパ(西洋)が、中近東やアジア(東洋、オリエント)に対して抱いた優越感と偏見に満ちたまなざしを指します。
「西洋の東洋に対する支配的なものの見方」という意味合いが強く、異文化への単なる憧れに留まらず、西洋が東洋を未開で遅れている、退廃的で官能的、合理的でないといったステレオタイプ(偏見)で捉え、それを再構成して描く傾向があります。
ウジェーヌ・ドラクロワの『アルジェの女たち』に見られる、異国情緒と共に描かれる、退廃的で官能的な東方世界のイメージ
オリエンタリズムの芸術家と絵画
オリエンタリズムには、多くの優れた芸術家たちがいますが、その中でも特に有名なのは、ジャン=レオン・ジェローム、ウジェーヌ・ドラクロワ、ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルです。
オリエンタリズムの芸術家:ジャン=レオン・ジェローム
ジャン=レオン・ジェローム:は、フランスの画家、彫刻家です。
考古学的な正確さとエキゾチックなディテールを融合させた、アカデミックアートスタイルのオリエンタリズム絵画を制作しました。
代表作は『The Snake Charmer』『The Turkish Bath』など。
出典:Wikipedia ジャン=レオン・ジェローム『The Snake Charmer』
オリエンタリズムの芸術家:ウジェーヌ・ドラクロワーム
ウジェーヌ・ドラクロワ: フランスのロマン主義画家です。
ドラマと情熱に満ちたオリエンタリズム絵画を制作しました。
代表作は『The Death of Sardanapalus』『The Women of Algiers』など。
出典:Wikipedia
オリエンタリズムの芸術家:ドミニク・アングル
ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル: フランスの新古典主義画家です。
古典主義の(原則)を取り入れながらも、官能的でエキゾチックなオリエンタリズム絵画を制作しました。
代表作は『La Grande Odalisque』『The Turkish Bath』など。

オリエンタリズムの現代における影響
オリエンタリズムは、19世紀後半以降、リアリズムや印象派といった新しい美術運動の台頭により、衰退していきました。
しかし、オリエンタリズムが美術史に残した影響は大きく、現代美術においても、その影響を見ることができます。
また、オリエンタリズムは、西洋の東洋に対するステレオタイプを形成する上で、大きな役割を果たしました。
現代社会においても、メディアやポップカルチャーにおいて、オリエンタリズム的なイメージが使われることがあります。
オリエンタリズムは、西洋と東洋の複雑な関係を反映した美術運動です。その遺産は、現代においても、議論されるべき重要なテーマです。
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