月岡耕漁は、明治時代から大正時代にかけて活躍した浮世絵師、日本画家です。師である月岡芳年の影響を受けつつ、能楽を題材にした作品を数多く制作し、「能画伯」と称されました。彼の作品は、伝統的な浮世絵の技法と、西洋絵画の写実的な表現を融合させた独自のスタイルで、能楽の世界を情感豊かに描き出しています。
月岡耕漁 経歴
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1869年4月18日、東京・日本橋に生まれる
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1880年、月岡芳年の門下に入る
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1892年、芳年の死後、尾形月耕に師事
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1890年代後半から、能楽を題材にした作品を制作
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1904年、セントルイス万国博覧会に出品し、銅牌を受賞
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1927年2月25日、死去(享年57歳)
代表作品
- 能楽画集『能楽百番』 (1916年-1917年)
- 『隅田川』(Sumidagawa) (1912年)
- 『船弁慶』(Funabenkei) (1915年)
- 『葵上』(Aoi no Ue) (1920年)
耕漁の画風と業績
耕漁の作品は、伝統的な浮世絵の技法と、西洋絵画の写実的な表現を融合させた独自のスタイルが特徴です。彼は、能楽の舞台や登場人物を、繊細な線描と美しい色彩で描き出し、その幽玄な世界を情感豊かに表現しました。
耕漁は、能楽を題材にした作品を数多く制作し、その数は300点以上にも及びます。彼の作品は、能楽の普及に貢献しただけでなく、日本画壇においても高い評価を得ました。
耕漁は、明治期の日本画壇において、伝統と革新を融合させた独自の画風を確立した画家です。彼の作品は、日本美術史において重要な位置を占めています。