【完全ガイド】ピエト・モンドリアンの代表作ランキングTOP10！飾り方のコツも解説

「ピエト・モンドリアンの有名な作品って何？」「水平・垂直線と三原色の絵は知ってるけど、他にはどんな作品があるの？」

そんな疑問をお持ちではありませんか？この記事では、20世紀を代表する抽象絵画の巨匠、ピエト・モンドリアンの有名な代表作をランキング形式で詳しく解説します。彼の生涯や作品の変遷を知ることで、モダンアートの世界がもっと面白くなるはずです。

さらに、お気に入りの作品をご自宅にアートパネルとして飾る際のポイントもご紹介。高品質なアートプリントサービスを提供する私たちartgraphが、あなたのアートのある暮らしをサポートします。ぜひ最後までご覧ください。

ピエトモンドリアンの有名な代表作ランキングTOP10

それでは早速、美術史における重要性や知名度を基に選出した、ピエト・モンドリアンの代表作ランキングTOP10をご紹介します。彼の画風の変遷と共に、その魅力に迫っていきましょう。

第1位: 《赤・青・黄のコンポジション》(1930)

モンドリアンと聞いて多くの人が思い浮かべる、最も象徴的な作品です。水平・垂直の黒い線と、赤・青・黄の三原色、そして白・黒・灰の無彩色のみで構成されています。これは彼が提唱した「新造形主義（ネオ・プラスティシズム）」の理念を完璧に体現した作品であり、色彩と線が織りなす究極の調和と普遍的な美を追求した傑作です。

第2位: 《ブロードウェイ・ブギウギ》(1942-43)

晩年に亡命先のアメリカ・ニューヨークで制作された、彼のキャリアの集大成ともいえる作品です。それまでの黒い線はなくなり、細かく分割されたカラフルなブロックがリズミカルに配置されています。ニューヨークの街の活気、高層ビルのグリッド、そして彼が愛したジャズ音楽「ブギウギ」のスウィング感を視覚的に表現した、躍動感あふれる一枚です。

第3位: 《灰色の木》(1911)

モンドリアンがパリでキュビスムの影響を受け、具象絵画から抽象絵画へと移行する過程で描かれた重要な作品です。木の幹や枝が徐々に単純な線へと分解され、色彩も灰色や茶色といった抑制された色調に変化しています。自然の対象を分析し、その本質的な構造を抽出しようとする試みが見て取れます。

第4位: 《ヴィクトリー・ブギウギ》(1942-44)

モンドリアンの最後の作品であり、彼の死によって未完に終わった遺作です。《ブロードウェイ・ブギウギ》のコンセプトをさらに発展させ、色とりどりの小さな正方形のテープがキャンバス上に貼られています。制作途中ならではのダイナミズムがあり、第二次世界大戦の連合国の勝利（ヴィクトリー）への期待が込められているとも言われています。

第5位: 《格子のあるコンポジション 10：pier and ocean》(1915)

オランダの海辺の風景からインスピレーションを得て制作された「プラス・マイナス」シリーズの一つです。海の水平線と、海に突き出た桟橋の垂直線を、短い直線でリズミカルに表現しています。具体的な風景の描写から離れ、自然界に潜む普遍的なリズムと構造を抽出しようとした、抽象化への大きな一歩となった作品です。

第6位: 《赤い木》(1908-10)

抽象画のイメージが強いモンドリアンですが、初期にはゴッホやフォーヴィスム（野獣派）の影響を受けた表現主義的な作品も描いています。この《赤い木》は、燃えるような赤と深い青の対比が印象的で、画家の内面的な感情が激しい筆致と色彩で表現されています。後の厳格なスタイルとは対照的な、情熱的な一枚です。

第7位: 《タブロー I》(1921)

モンドリアンが「新造形主義」のスタイルを確立した時期の代表作の一つです。大きな色の面が黒い太い線によって区切られ、完璧なバランスで配置されています。非対称的な構成でありながら、画面全体には静謐で安定した調和が生まれており、彼の理論が見事に結実した作品と言えるでしょう。

第8位: 《Lozenge Composition with Red, Black, Blue, and Yellow》(1925)

モンドリアンは、正方形のキャンバスを45度傾けて菱形（ロザンジュ）として使用する試みも行いました。この形式により、絵画の内部の水平・垂直線が、キャンバスの縁の斜線とダイナミックな関係性を生み出します。静的な構図に動きと緊張感を与える、革新的な作品です。

第9位: 《夜：赤い風車》(1911)

初期の象徴主義的な作風を代表する作品です。夜の闇の中にそびえ立つ風車が、不気味なほどの存在感を放っています。強烈な赤と青の色彩は、神秘主義や神智学への傾倒を反映しており、後の幾何学的な抽象画とは全く異なる、精神的で内面的な世界が描かれています。

第10位: 《Composition with Red, Yellow, Blue and Black》(1921)

新造形主義の典型的なスタイルを示しながらも、特に大きな赤い四角形が画面の主役となっている作品です。色の配置や線の太さを微妙に調整することで、視覚的な重さのバランスを取り、静かながらも力強いハーモニーを生み出しています。シンプルさの中に無限の可能性を感じさせる一枚です。

ピエトモンドリアンの代表作　番外編

ランキングには入りませんでしたが、モンドリアンの画業を語る上で欠かせないユニークな作品をご紹介します。

《Evolution (進化)》(1911)
三連祭壇画の形式で描かれた、神智学の思想を色濃く反映した作品です。裸婦像を通して、人間の精神的な進化の3つの段階（物質的、魂的、霊的）が描かれています。後の抽象画とは全く異なる具象的なスタイルで、彼の精神世界を知る上で非常に興味深い作品です。

ピエトモンドリアンとは

ピエト・モンドリアン（1872-1944）は、オランダ出身の画家で、ワシリー・カンディンスキーらと並ぶ本格的な抽象絵画の創始者の一人です。

キャリアの初期には、オランダの伝統的な風景画を描いていましたが、神智学への傾倒やパリでのキュビスムとの出会いを経て、独自の抽象様式を追求し始めます。1917年には、テオ・ファン・ドゥースブルフらと共に芸術運動「デ・ステイル」を結成し、普遍的な調和と秩序を表現するための芸術理論「新造形主義（ネオ・プラスティシズム）」を提唱しました。

彼の作品は、絵画だけでなく、建築、家具、ファッションデザインなど、後世の様々な分野に大きな影響を与え続けています。