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耽美主義とは?わかりやすく解説|作家や絵画、歴史を紹介

耽美主義とは?わかりやすく解説|作家や絵画、歴史を紹介

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「耽美主義ってなに?」
「要するにどういうこと?」_この記事では、そんな疑問にお答えします。

19世紀後半、ヴィクトリア朝時代のイギリスで生まれた耽美主義は、「芸術のための芸術」をスローガンに、美の追求を第一とする芸術運動です。

本記事では、耽美主義の特徴や歴史的背景、代表的な芸術家と作品、そして、現代における耽美主義の影響について解説していきます。

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耽美主義とは? - 美の自律性と感覚的享受

挿絵入り文芸誌『イエロー・ブック』(1894)
出典:Wikipedia

耽美主義(たんびしゅぎ)とは、「美しさそのものを大切にしよう」という考え方のことです。

19世紀のイギリスで生まれた芸術の動きで、当時の「役に立つことが大事」「道徳的であるべき」という社会の考えに反発して生まれました。

耽美主義の人たちは、「芸術は誰かを教えたり、社会のためになるためにあるのではなく、美しいと感じるためにある」と考えました。

絵画や文学、音楽などで、色や形、音の美しさ、感覚的な心地よさをとても大切にしたのが特徴です。

簡単に言うと、「美しいものはそれだけで価値がある」と信じた人たちの芸術のことです。

耽美主義の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 美の追求: 耽美主義の芸術家たちは、美しさこそが芸術の究極の目標であると考えました。彼らは、形、色、質感、音といった要素を駆使し、洗練された美を追求しました。ビアズリーの挿絵は、繊細な線と黒白のコントラストが美しい、耽美主義を代表する作品です。
  • 感覚的享受: 耽美主義は、芸術を通して得られる感覚的な喜びや楽しみを重視しました。彼らは、視覚、聴覚、触覚など、五感を刺激する作品を制作しました。ワイルドの戯曲「サロメ」は、美しい言葉と退廃的な雰囲気で、観客の感覚を刺激する作品です。
  • 人工美の重視: 耽美主義は、自然美よりも人工美を重視しました。彼らは、自然を模倣するのではなく、芸術によって人工的な美を創造しようとしました。ホイッスラーの絵画は、日本美術の影響を受けた、装飾的な構図と色彩が特徴です。彼の「Nocturne in Black and Gold: The Falling Rocket」は、花火の爆発する美しさを、抽象的な表現で描いた作品です。
  • 退廃的な魅力: 耽美主義は、時には、退廃的な美しさや、堕落を表現しました。彼らは、社会の規範や道徳に縛られることなく、人間の暗い側面や、禁断の欲望を芸術によって探求しました。ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」は、永遠の美しさを求める男の堕落を描いた、耽美主義文学の代表作です。

耽美主義の作家と絵画

耽美主義には、多くの優れた芸術家たちがいますが、その中でも特に有名なのは、オスカー・ワイルド、ジェームズ・マクニール・ホイッスラー、オーブリー・ビアズリーです。

耽美主義の作家:オスカー・ワイルド

オスカー・ワイルド(Oscar Wilde, 1854–1900)は、耽美主義を代表するイギリスの作家です。ウィットに富んだ言葉と華やかな個性で知られ、長編小説『ドリアン・グレイの肖像』などの作品を残しました。

彼は「芸術は人生よりも美しい」という信念をもち、美を追求する姿勢を貫いた人物です。華やかな社交界で注目を浴びる一方、その自由な生き方や思想は時代の常識と衝突し、波乱に満ちた人生を送りました。

耽美主義の画家:ジェームズ・マクニール・ホイッスラー

ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(James McNeill Whistler, 1834–1903)は、アメリカ出身でイギリスを中心に活躍した耽美主義の画家です。

「芸術のための芸術」という理念を体現し、色彩や構図の調和そのものを美としました。

代表作『灰色と黒のアレンジメント No.1(ホイッスラーの母)』は、感情よりも形と色のバランスを重視した作品です。

灰色と黒のアレンジメント-母の肖像
出典:Wikipedia

音楽用語をタイトルに使うなど、絵画を視覚的な“交響曲”として表現した革新的な芸術家です。

耽美主義のイラストレーター:オーブリー・ビアズリーラー

オーブリー・ビアズリー(Aubrey Beardsley, 1872–1898)は、19世紀末のイギリスで活躍した耽美主義のイラストレーターです。

黒と白の強いコントラストを使った独特の線描スタイルで知られ、当時の芸術雑誌『ザ・イエロー・ブック』などで注目を集めました。

オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』の挿絵で名を広め、妖艶で退廃的な美の世界を描き出しました。

オスカー・ワイルド『サロメ』挿絵 (1894)
出典:Wikipedia

26歳という若さで亡くなりましたが、その前衛的な感性は今も多くのアーティストに影響を与えています。

耽美主義の始まりと終焉

耽美主義は、19世紀後半のイギリスで、ヴィクトリア朝時代の厳格な道徳や、工業化に伴う物質主義への反発から生まれました。

ヴィクトリア朝社会は、道徳や社会的責任を重視し、芸術にも教訓や道徳的なメッセージが求められました。

しかし、耽美主義の芸術家たちは、芸術は芸術のためだけに存在するべきであり、社会的な目的や道徳から自由であるべきだと主張しました。彼らは、美と喜びを追求し、芸術を人生の中心に据えようとしたのです。

耽美主義は、ウォルター・ペイターの思想や、ジョン・ラスキンの美術批評にも影響を受けました。

ペイターは、「ルネサンス」の中で、芸術は「瞬間の激しさを捉える」べきだと主張し、ラスキンは、芸術には道徳的責任が伴うと主張しながらも、美の重要性を強調します。

耽美主義の運動は、オスカー・ワイルドの裁判と投獄によって、1895年に終焉を迎えました。

しかし、耽美主義の美意識は、20世紀美術にも大きな影響を与え続けたのです。

耽美主義の後世への影響

耽美主義は、20世紀以降の芸術にも大きな影響を与えました。

アールヌーボー、アールデコ、シュルレアリスムなど、様々な芸術運動が、耽美主義の美的感覚や、美の追求から影響を受けています。

また、現代のファッションやデザインにも、耽美主義の要素を取り入れたものが多く見られます。

耽美主義は、芸術の自律性と美の重要性を主張した運動として、現代美術においても重要な意味を持ち続けています。

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