Theban Necropolis: Tombs of Valley of El Assacif - エジプト美術史 Phone Case.

『エジプト美術史』は、フランスの考古学者であり、20世紀以前のエジプト学者の中でも最も重要な人物の一人であるエミール・プリス・ダヴェンヌ（1807-1879）によって1878年に出版された、古代エジプトの美術に関する包括的な研究書です。エジプトでエンジニアとして働き、ナイル渓谷で考古学的な発掘調査を行い、エジプト名さえも採用したプリス・ダヴェンヌは、その文化への深い理解を建築デザインと鮮やかな現地イラストを通じて表現しました。本書を通して、古代エジプトの生活を探求し、その素晴らしい古代文明を体験してください。

エミール・プリス・ダヴェンヌ 経歴

• 1807年、フランスのアヴェンヌに生まれる。
• 軍人としてのキャリアを経て、エジプト学に転身。
• 1827年、エジプトに到着し、エジプト軍学校で技術者として雇用される。
• 1830年代から1840年代にかけて、エジプトで数多くの遺跡や遺物を調査・記録。
• イドリース・エフェンディというエジプト名を名乗り、アラビア語を学び、イスラム教を実践するなど、エジプトの文化に深く溶け込む。
• 1840年代後半、フランスに戻り、エジプト美術に関する研究書や図版集を出版。
• 1879年、死去（享年72歳）。

代表作品

• 『エジプト美術史』(Histoire de L'art Égyptien) (1878年)
• 『エジプトのモニュメント』(Monuments égyptiens) (1847年)
• 『アラブ美術史』(L'Art arabe d'après les monuments du Kaire) (1869-1877年)

本書の特徴と影響

『エジプト美術史』は、プリス・ダヴェンヌが長年にわたるエジプトでの調査と研究の成果をまとめた、エジプト美術に関する百科事典的な著作です。彼は、古代エジプト美術の様式、技法、象徴性などを詳細に分析し、その歴史的、文化的背景を明らかにしました。

本書には、プリス・ダヴェンヌ自身が現地でスケッチした図版や、写真技術を用いて撮影した写真などが多数収録されており、古代エジプト美術の美しさと多様性を視覚的に伝えています。彼の建築デザインと鮮やかな現地イラストは、エジプト文化への深い理解を反映しています。

『エジプト美術史』は、エジプト学の発展に大きく貢献しました。その詳細な解説と豊富な図版は、多くの研究者や芸術家に影響を与え、古代エジプト美術への理解を深める上で重要な役割を果たしました。

プリス・ダヴェンヌは、19世紀のエジプト学を代表する研究者であり、その情熱と探究心は、現代のエジプト学にも受け継がれています。彼の作品は、古代エジプト文明の謎を解き明かすための貴重な手がかりを提供し続けています。