Gustave Courbet(ギュスターヴ クールベ)

ギュスターヴ・クールベ（1819-1877）は、フランスの画家であり、19世紀フランス絵画における写実主義運動のリーダーでした。彼は、自分の目で見たものだけを描くことにこだわり、アカデミックな慣習や、前の世代のロマン主義的な傾向を拒否しました。

ギュスターヴ・クールベ 経歴

• 1819年6月10日、フランス東部のオルナンに生まれる
• 1839年、法律を学ぶためにパリに移住するが、すぐに美術の道へ転向
• 1840年代、サロン・ド・パリに出品するも、その革新的なスタイルは物議を醸す
• 1855年、パリ万国博覧会で自作を展示する「写実主義館」を開設
• 1870年、パリ・コミューンに参加し、後に投獄される
• 1877年12月31日、スイスのラ・トゥール＝ド＝ペイツで死去（享年58歳）

代表作品

• 『オルナンの埋葬』(A Burial At Ornans) (1849-50年)
• 『石割り』(The Stone Breakers) (1849年)
• 『画家のアトリエ』(The Artist's Studio) (1855年)
• 『世界の起源』(L'Origine du monde) (1866年)

クールベの画風と業績

クールベの画風は、徹底した写実主義と、社会的なテーマを題材にした点が特徴的です。彼は、理想化や美化を排し、労働者や農民など、社会の底辺で生きる人々を等身大で描き出しました。彼の作品は、当時の社会構造や価値観に疑問を投げかけ、美術界に大きな衝撃を与えました。

代表作の『オルナンの埋葬』は、クールベの故郷オルナンでの葬儀風景を描いた大作で、その等身大の人物描写と日常的な情景は、従来の歴史画の概念を覆すものでした。また、『石割り』では、過酷な労働に従事する二人の労働者を描き、社会の不平等を告発しました。

クールベは、生前は批判や論争を巻き起こしましたが、後にその革新的な芸術は高く評価されるようになり、写実主義運動の指導者として、また、近代美術の先駆者として、美術史に大きな影響を与えました。