Choose your favorite from over 1,000,000 products

[First-time customers only!] 10% OFF coupon!

Loading...

【徹底解説】クロード・モネ「ポプラ並木」はどこで描かれた?エプト川の秘密と制作秘話

【徹底解説】クロード・モネ「ポプラ並木」はどこで描かれた?エプト川の秘密と制作秘話

目次

この記事について

artgraph. ロゴ

artgraph.

100万点以上のアートインテリア販売サイト

アートの印刷事務所のスタッフであるartgraph.スタッフが独自に情報をまとめて記事を書いています。 スタッフの中には作家活動を行う者も多く、勉強の一環としても記事をどんどん書いてゆきます!

こんにちは!アートをもっと身近に楽しむお手伝いをしたい、artgraph.店長のマツムラです。今回は、私も大好きな画家、クロード・モネの代表作の一つ『ポプラ並木』連作について深掘りしていきましょう。

「モネの『ポプラ並木』、あの美しい光と影の景色は一体どこで描かれたんだろう?」そんな疑問を持ったことはありませんか?キラキラと輝く水面、風にそよぐ葉、刻一刻と表情を変える空の色… 印象派を代表するこの連作には、意外な場所と制作秘話が隠されています。

この記事を読めば、モネが『ポプラ並木』を描いた具体的な場所、エプト川との深いつながり、彼独特のアトリエ舟を使った制作スタイル、そして絵のモデルとなったポプラの木を守るために奔走した感動的なエピソードまで、詳しく知ることができます。モネが見た風景に、一緒に思いを馳せてみませんか?

『ポプラ並木』はどこで描かれた?舞台はエプト川のほとり

多くの人が魅了されるモネの『ポプラ並木』シリーズ。その舞台となったのは、彼が晩年を過ごしたジヴェルニーの家からもほど近い、エプト川のほとりです。

具体的な場所:リメッツ=コションヴィリエールのエプト川沿い

正確には、フランス・ノルマンディー地方、ジヴェルニーから数キロメートル上流にあるリメッツ=コションヴィリエール(Limetz-Villez)という村の近くを流れるエプト川沿いの一角が、あの有名なポプラ並木があった場所です。川が緩やかにカーブを描き、そこにポプラの木々が列をなして生えていました。


モネがポプラ並木を描いたエプト川周辺のイメージ

モネが住んだジヴェルニーからの距離

モネは1883年から亡くなる1926年まで、ジヴェルニーに住居とアトリエ、そして有名な庭園を構えていました。リメッツまではわずか数キロの距離だったため、モネは舟や徒歩で気軽にこの場所に通い、制作に打ち込むことができたのです。

なぜその場所を選んだのか?

モネがこの場所を選んだ理由は、その景観の美しさにありました。S字カーブを描く川の流れ、垂直に伸びるポプラの幹、そしてそれらが水面に映り込む様子は、光の効果や構図を探求するモネにとって、絶好のモチーフだったのです。特に、高くそびえるポプラの縦のラインと、水面に映る影が作り出すリズム感は、彼の心を捉えました。

エプト川とモネ:連作に隠された秘密

エプト川は、モネの『ポプラ並木』シリーズ誕生において、単なる背景以上の重要な役割を果たしています。

印象派画家モネと「光の探求」

印象派の中心人物であるモネは、生涯を通じて「光」を描くことに情熱を注ぎました。対象物そのものの形よりも、光によって変化する色彩や、その場の空気感、時間の移ろいを捉えようとしたのです。

連作を選んだ理由:移り変わる光と時間を捉える

『ポプラ並木』が連作として描かれたのは、まさにこの「光の探求」のためでした。同じ場所、同じモチーフであっても、季節、天候、時間帯によって光の状態は劇的に変化します。モネは、その瞬間瞬間の光の効果を捉えるために、複数のカンヴァスを並べて、光が変わるたびに描き分けるという手法を取りました。『ポプラ並木』シリーズでは、朝、昼、夕方、曇りの日、晴れた日など、様々な条件下でのポプラの姿が描かれています。

ポイント:モネは、同じ景色を異なる光の下で描くことで、「見る」という行為そのものや、移ろいゆく時間の本質を表現しようとしたのです。

水面に映るポプラ:構図の妙

エプト川の水面は、モネにとって重要な要素でした。水面に映るポプラの影は、現実の風景と対になり、画面に奥行きと複雑さ、そして幻想的な雰囲気を与えています。風のない穏やかな日には鏡のように、風のある日には揺らめくように映るポプラの姿は、光と影の効果をさらに引き立てる役割を果たしました。

制作秘話:川に浮かぶ「アトリエ舟」とポプラ伐採の危機

『ポプラ並木』の制作には、モネならではの工夫と、思わぬドラマがありました。

アトリエ舟での制作風景

モネは、水上からの視点で描くために、「アトリエ舟(bateau-atelier)」と呼ばれる、小さな小屋を乗せたボートを改造して使用していました。この舟に乗ってエプト川を移動し、理想的な構図を見つけては制作に没頭したのです。川面に近い低い視点から描かれた作品からは、まるで私たちも舟に乗ってその景色を眺めているかのような臨場感が伝わってきます。


モネが愛用したアトリエ舟 1874年

刻々と変わる光を追い求めて

前述の通り、モネは移り変わる光を捉えるために、複数のカンヴァスを同時に用意し、アトリエ舟に積んでいました。光の状態が変わると、描いていたカンヴァスを別のものに替え、常にその瞬間の光に最も近い表現を追求したのです。まさに時間との戦いだったと言えるでしょう。

ポプラ伐採計画と、それを阻止したモネの行動

『ポプラ並木』シリーズの制作は、1891年の夏から秋にかけて行われました。しかし制作の途中、驚くべき事態が発生します。なんと、絵のモデルとなっていたポプラ並木が、地元の自治体によって競売にかけられ、伐採される計画が持ち上がったのです。

シリーズの完成を強く願っていたモネは、この計画を知って愕然とします。彼はすぐさま行動を起こし、木材商人と交渉。最終的には、競売でポプラを落札した木材商人に、制作が終わるまで伐採を待ってもらうよう追加料金を支払うことで合意し、無事にポプラの木々を守り抜きました。このエピソードは、モネの作品制作にかける並々ならぬ情熱を物語っています。

感動秘話:モネは自ら資金を投じて、描いていたポプラ並木が伐採されるのを阻止しました。芸術のためなら、木々そのものを買い取ることも厭わないという、彼の強い意志が感じられます。

『ポプラ並木』シリーズの魅力:光と色彩のシンフォニー

こうして完成した『ポプラ並木』シリーズ(全23点とされています)は、印象派の到達点を示す傑作として、今日でも世界中の人々を魅了し続けています。

時間、天候、季節による表現の違い

シリーズの作品を見比べると、同じポプラ並木でありながら、一枚一枚が全く異なる表情を持っていることに驚かされます。ある作品では柔らかな朝陽に照らされ、またある作品では燃えるような夕焼けに染まり、別の作品では曇り空の下で静かに佇んでいます。色彩も、明るい黄色や緑、青だけでなく、ピンク、紫、オレンジなどが巧みに使われ、光と大気の微妙なニュアンスが見事に表現されています。

代表的な作品とその特徴

シリーズの中でも特に有名な作品をいくつか見てみましょう。


クロード・モネ『エプト川のポプラ並木』 (Poplars on the Epte), 1891年 (スコットランド国立美術館蔵) ※所蔵情報は作品により異なります

『エプト川のポプラ並木』(様々なバージョン): シリーズの中心となる作品群。画面下部に水面の反射を大きく取り入れ、垂直なポプラの幹との対比が美しい構図です。光の状態によって、色彩が劇的に変化します。


クロード・モネ『ポプラ並木、3本の木(春、夏、秋など)』 (The Four Trees または Poplars, Three Trees), 1891年 (メトロポリタン美術館、フィラデルフィア美術館蔵など) ※所蔵情報は作品により異なります

『ポプラ並木、3本の木(または4本の木)』: 数本のポプラに焦点を当て、季節(春、夏、秋)や時間帯による変化を描き分けています。特にピンクやオレンジがかった色彩の作品は、夕暮れ時の抒情的な雰囲気を伝えています。

作品情報メモ: モネの『ポプラ並木』シリーズは、ロンドンのナショナル・ギャラリー、パリのオルセー美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、日本の国立西洋美術館など、世界各地の主要な美術館に所蔵されています。

世界中の美術館で愛される理由

『ポプラ並木』シリーズがこれほどまでに愛される理由は、単なる風景画を超えた普遍的な魅力を持っているからでしょう。自然の美しさ、光の神秘、そして移ろいゆく時間の一瞬を捉えたモネの革新的な表現は、観る人の心に深く響き、何度見ても新たな発見を与えてくれます。

まとめ:エプト川のポプラ並木とモネの芸術

今回は、クロード・モネの『ポプラ並木』が描かれた場所、エプト川との関係、アトリエ舟での制作やポプラ伐採阻止のエピソードについて詳しくご紹介しました。

この記事のポイントまとめ

  • 描かれた場所: フランス、ジヴェルニー近くのリメッツ=コションヴィリエール付近のエプト川沿い。
  • エプト川の役割: 光の変化、水面の反射を描くための重要な舞台。
  • 制作スタイル: アトリエ舟を使用し、移り変わる光を捉えるために連作として制作。
  • 制作秘話: 自ら資金を出し、伐採されそうになったポプラの木々を守った。
  • シリーズの魅力: 同じ景色を異なる光と色彩で描き分け、時間や空気感まで表現。

エプト川のほとりで、光を追いかけ続けたモネ。その情熱と、自然への深い眼差しがあったからこそ、『ポプラ並木』という不朽の名作が生まれたのですね。この記事を通して、モネの芸術や印象派の世界に、より親しみを感じていただけたら嬉しいです。


お部屋で楽しむ、モネの世界

モネが捉えた自然光のきらめきや色彩の豊かさをお部屋にも取り入れてみませんか?artgraph.では、モネの名画をはじめ、空間を彩る高品質なアートポスターアートパネルを多数取り揃えています。お気に入りの一枚が、きっとあなたの日常に新たなインスピレーションをもたらしてくれるはずです。


artgraph.であなただけの一枚を見つけませんか?

artgraph.でモネの作品を探す

クロード・モネ ポプラ並木 場所 エプト川 ジヴェルニー 印象派 連作 制作秘話 アトリエ舟 アートポスター artgraph

この記事を書いた人

artgraph. ロゴ

artgraph.

100万点以上のアートインテリア販売サイト

アートの印刷事務所のスタッフであるartgraph.スタッフが独自に情報をまとめて記事を書いています。 スタッフの中には作家活動を行う者も多く、勉強の一環としても記事をどんどん書いてゆきます!