こんにちは!artgraph.店長のマツムラです。「アートをもっと身近に」をコンセプトに、皆さまが美術の世界をより深く、楽しく理解できるような情報をお届けしています。
「新印象派ってよく聞くけど、具体的にどんな絵画運動なの?」「印象派とは何が違うの?その定義をちゃんと知りたい!」そんな風に思ったことはありませんか?美術史には様々な「〇〇派」という言葉が登場しますが、それぞれの意味や特徴を正確に把握するのは、なかなか難しいものですよね。でも、定義を知ることで、作品の見方がガラッと変わり、アート鑑賞が何倍も面白くなるんです!
この記事では、美術史における重要な潮流である「新印象派」について、その明確な定義から、核となる特徴、誕生の背景、そして代表的な画家たちまで、分かりやすく徹底的に解説します。私、マツムラが、皆さまの美術に関する「?」を「!」に変えるお手伝いをさせていただきます。これを読めば、新印象派とは何かがスッキリ理解できるはずです。新印象派の論理的で美しい世界へ、ご案内いたしましょう!
新印象派の定義や特徴を知ることで、作品鑑賞はより一層深いものになります。画家たちがどのような考えでその一点一点を置いたのか、その色彩にどんな意味が込められているのか…。artgraph.では、この記事で解説する新印象派の理念を体現した美しい作品たちを、高品質なアートポスターやアートパネルとしてご用意しています。定義を理解した目で作品を選び、お部屋に飾ってみませんか?
新印象派とは?まず結論:その核心的定義を押さえよう
「新印象派」という言葉はよく耳にしますが、その正確な定義は何でしょうか?まずは、その核心を押さえましょう。
一言でいうと「印象派の理論を科学的に推し進め、点描技法と色彩分割を用いた絵画運動」
これが新印象派の最も簡潔な定義と言えるでしょう。つまり、先行する印象派の画家たちが感覚的に捉えた光や色彩の表現を、より科学的・理論的なアプローチで発展させようとしたのが新印象派です。そして、そのために彼らが用いた代表的な技法が「点描主義(ポワンティリスム)」と、その根底にある「色彩分割(ディヴィジョニズム)」という考え方でした。
主な活動時期:1880年代半ば~20世紀初頭
新印象派が美術史の表舞台で活発に活動したのは、主に1880年代半ばから1900年代初頭にかけての、19世紀末から20世紀初頭にかけての時期です。フランスのパリを中心に展開されました。
中心人物:ジョルジュ・スーラ、ポール・シニャックなど
この新しい絵画運動を牽引した中心人物は、ジョルジュ・スーラ(Georges Seurat)とポール・シニャック(Paul Signac)です。特にスーラは、新印象派の理論と技法を確立した創始者として知られています。その他、アンリ=エドモン・クロス、カミーユ・ピサロ(一時期参加)なども重要な画家です。
新印象派のポイントまとめ
- 活動時期:19世紀末~20世紀初頭のフランス
- 目指したこと:印象派の色彩理論を科学的に発展させる
- 代表技法:点描主義(ポワンティリスム)、色彩分割(ディヴィジョニズム)
- 中心人物:ジョルジュ・スーラ、ポール・シニャック
新印象派を定義づける3つの重要な特徴
新印象派の定義をより深く理解するために、その核となる3つの重要な特徴について詳しく見ていきましょう。
1. 点描主義(ポワンティリスム):計算された小さな色彩の点
定義:点描主義(ポワンティリスム)とは、絵具をパレットの上で混ぜ合わせるのではなく、純粋な色彩の小さな「点」をキャンバスに無数に並べて描く技法です。これらの点は、計算された配置で置かれ、鑑賞者の目の中で視覚的に混ざり合うことで、色彩と形を形成します。
なぜ点で描いたのか?その目的と効果:
画家たちが点で描いた主な目的は、色彩の鮮やかさを最大限に保つことでした。絵具を物理的に混ぜると色が濁ってしまうのに対し、純色の点を並置することで、それぞれの色が持つ輝きを失うことなく、画面全体として明るく鮮やかな印象を生み出すことを狙いました。また、点の集合によって形を表現することで、輪郭線に頼らない新しい描画方法を追求しました。

2. 色彩分割(ディヴィジョニズム):パレット上の混色を避ける理論
定義:色彩分割(ディヴィジョニズム)は、点描主義の根底にある理論的支柱です。これは、光のスペクトル(虹の七色のように、光が分解されて見える色の帯)や補色関係(色相環で反対側に位置する色同士の関係)といった科学的な色彩理論に基づき、色彩を個々の純粋な要素に「分割」し、それらを画面上で効果的に配置しようとする考え方です。
科学的色彩理論(シュヴルールなど)の影響:
新印象派の画家たちは、ミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールやオグデン・ルードといった科学者たちの色彩理論を熱心に研究しました。これらの理論は、例えば「補色を隣り合わせに置くと互いの色がより鮮やかに見える」といった効果を明らかにしており、新印象派の画家たちはこの知見を積極的に作品に取り入れました。

3. 秩序と調和への志向:感覚よりも理性を重んじる画面構成
新印象派の作品は、印象派の作品が持つ偶発性や瞬間的な描写とは対照的に、極めて計算され尽くした、秩序ある画面構成が特徴です。画家たちは、感覚だけに頼るのではなく、理性や知性に基づいて画面を構築しようとしました。人物や風景は、まるで幾何学的な配置のように慎重に配置され、画面全体に静謐で調和のとれた、永続的な美しさが追求されました。
印象派との違いは?新印象派の独自性を理解する
「新」印象派という名前から分かる通り、この運動は印象派と深い関わりがありますが、明確な違いも存在します。その違いを理解することが、新印象派の定義をよりクリアにする鍵となります。
印象派:感覚的、瞬間的、筆触分割
印象派は、画家の「目」に映った瞬間の光や空気の「印象」を、素早い筆致(筆触分割)で捉えようとしました。そこでは、画家の主観的な感覚や感情が重視されました。
新印象派:科学的、理論的、点描、色彩分割
一方、新印象派は、印象派の色彩表現をさらに科学的・理論的に推し進めようとしました。色彩分割の理論に基づいた点描技法を用い、より客観的で法則性のある美を目指しました。
「印象」の捉え方の違い:主観から客観的法則性の追求へ
印象派が「画家個人の主観的な印象」を重視したのに対し、新印象派は「光や色彩が持つ普遍的な法則性に基づいた、より客観的な視覚効果」を追求したと言えます。これが両者の最も大きな違いの一つです。
新印象派の定義を体現する代表的な画家と作品
新印象派の定義を具体的に理解するために、代表的な画家とその作品を見てみましょう。
ジョルジュ・スーラ:「グランド・ジャット島の日曜日の午後」など

ポール・シニャック:「サントロペの港」など

スーラの親友であり、新印象派の理論を広めたシニャック。彼の作品は、スーラよりも色彩がより大胆で明るく、筆致も大きなものへと変化していきますが、色彩分割の原理に基づいている点は共通しています。「サントロペの港」では、南仏の強烈な光と色彩が、生き生きとしたタッチで表現されています。
アンリ=エドモン・クロス、カミーユ・ピサロ(新印象派時代)など
他にも、アンリ=エドモン・クロスは南仏の光あふれる風景を、カミーユ・ピサロは印象派の巨匠でありながら一時的に新印象派の技法を試みました。彼らの作品もまた、新印象派の定義の多様な側面を示しています。
新印象派が美術史に与えた影響:その定義の重要性
新印象派は、比較的短い期間の活動でしたが、その理論と実践は後の美術に大きな影響を与えました。
後のフォーヴィスムやキュビスムへの影響
色彩を純粋な要素として捉え、画面を構築的に構成しようとする新印象派の考え方は、20世紀初頭に登場するフォーヴィスム(野獣派)の画家たちの自由な色彩表現や、キュビスムの形態分析などに道を開いたと言われています。
色彩理論の芸術への応用という点で画期的
科学的な色彩理論を本格的に絵画に応用しようとした新印象派の試みは、美術史において画期的なものでした。これにより、絵画は単なる感覚的な表現だけでなく、知的な探求の対象ともなり得ることを示したのです。
まとめ:新印象派の定義を理解し、作品の奥深さに触れよう
今回は、「新印象派とは何か?」という疑問にお答えするために、その定義、主要な特徴、印象派との違い、そして代表的な画家と作品について解説しました。
新印象派は、印象派の色彩理論を科学的に発展させ、点描主義と色彩分割という独自の技法を用いて、秩序と調和に満ちた新しい絵画表現を追求した芸術運動である、とご理解いただけたでしょうか。その背景には、19世紀末の科学的な時代の空気と、ジョルジュ・スーラという画家の情熱がありました。
この定義や特徴を知ることで、新印象派の作品を見る目が変わり、その緻密な計算と色彩の美しさの奥にある、画家たちの知的な探求心や革新的な精神を感じ取ることができるはずです。artgraph.では、そんな新印象派の理念が息づく素晴らしい作品たちを、高品質なアートポスターやアートパネルとして取り揃えています。ぜひ、ご自宅で新印象派の作品と向き合い、その奥深い魅力に触れてみてください。「アートをもっと身近に」感じられる、豊かな時間をお約束します。新印象派の世界観は、スマホケースやメモ、ポストカードといったアイテムでもお楽しみいただけます。