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ポワンティリスムとは?スーラが用いた点描技法の意味と特徴を解説

ポワンティリスムとは?スーラが用いた点描技法の意味と特徴を解説

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アートの印刷事務所のスタッフであるartgraph.スタッフが独自に情報をまとめて記事を書いています。 スタッフの中には作家活動を行う者も多く、勉強の一環としても記事をどんどん書いてゆきます!

こんにちは!artgraph.店長のマツムラです。「アートをもっと身近に」をコンセプトに、美術の専門用語や技法も、皆さまに分かりやすくお伝えできるよう心がけています。

「美術の教科書や展覧会で目にする『ポワンティリスム』という言葉。なんだか難しそうだけど、一体どんな意味なの?」「点描画と何が違うの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?カタカナの専門用語が出てくると、つい身構えてしまいますよね。でも、ご安心ください!ポワンティリスムは、一度理解してしまえば、作品を見るのが何倍も楽しくなる、とても興味深い絵画技法なんです。

この記事では、新印象派の画家たちが用いた特徴的な技法「ポワンティリスム」について、その定義から具体的な描き方、そして美術史における重要性まで、分かりやすく徹底的に解説します。私、マツムラが、皆さまの「?」をスッキリ解消し、ポワンティリスムの魅力的な世界へとご案内いたします。これを読めば、あなたもポワンティリスムの奥深い世界がスッキリ理解できるはずです。

ポワンティリスムという技法で描かれた作品は、近づいて見ると無数の色の点なのに、離れて見ると鮮やかな色彩と形が浮かび上がる、まさに魔法のような魅力を持っています。artgraph.では、この記事で解説するポワンティリスムの粋を集めたような、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックの美しい作品を、高品質なアートポスターアートパネルとしてご用意しています。技法の秘密を知った上で作品を眺めれば、新たな感動が生まれるかもしれません。

ポワンティリスムとは?まずは基本の定義を押さえよう

「ポワンティリスム」という言葉、まずはその基本的な定義から確認していきましょう。

ポワンティリスム(Pointillism)=「点描主義」のこと

ポワンティリスム(Pointillism)は、フランス語で「点」を意味する「ポワン(point)」に由来する言葉です。日本語では一般的に「点描主義(てんびょうしゅぎ)」または「点描画(てんびょうが)」と訳されます。文字通り、絵画を「点」で描いていくスタイルを指します。

定義:純色の小さな点をキャンバスに並置し、視覚混合によって色彩と形を表現する絵画技法

より詳しく定義すると、ポワンティリスムとは、「パレットの上で絵具を混ぜ合わせるのではなく、純粋な色彩(原色やそれに近い色)の小さな点をキャンバスに計算して並置し、鑑賞者の網膜上での視覚混合(Optical Mixture)によって色彩と形を表現しようとする絵画技法」のことです。なんだか少し難しく聞こえるかもしれませんが、ポイントは「純色の点」と「視覚混合」です。

いつ、誰が始めた?:19世紀後半、ジョルジュ・スーラが中心

このポワンティリスムという技法を確立し、中心となって推し進めたのが、19世紀後半にフランスで活躍した画家のジョルジュ・スーラ(Georges Seurat)です。彼とその追随者たちは「新印象派(Neo-Impressionism)」と呼ばれ、ポワンティリスムを主要な表現手段としました。ポール・シニャック(Paul Signac)も、スーラと共にこの技法を発展させた重要な画家です。

ポワンティリスムの基本情報

  • 別名:点描主義、点描画
  • 技法:純色の小さな点を並べて描く
  • 効果:視覚混合により鮮やかな色彩を生み出す
  • 創始者:ジョルジュ・スーラ(新印象派)

ポワンティリスムの3つの大きな特徴:なぜ「点」で描いたのか?

では、なぜ新印象派の画家たちは、わざわざ手間のかかる「点」で絵画を制作したのでしょうか?そこには、彼らが目指した明確な目的と、当時の科学的な背景がありました。

1. 色彩の鮮やかさの追求:光のパレットを目指して

ポワンティリスムの最大の目的の一つは、色彩の鮮やかさを最大限に引き出すことでした。従来の絵画では、異なる色を混ぜ合わせる際にパレット上で絵具を物理的に混色していましたが、そうすると多くの場合、色が濁ってしまい、彩度(色の鮮やかさ)が低下してしまいます。スーラたちはこれを嫌い、純粋な色のままの絵具を点の形でキャンバスに置くことで、それぞれの色が持つ本来の輝きを保とうとしました。まるで光そのものをパレットにしているかのような、明るく鮮烈な色彩表現を目指したのです。

2. 視覚混合(Optical Mixture):鑑賞者の目で色が混ざる効果

ポワンティリスムのもう一つの重要な特徴は、「視覚混合(Optical Mixture)」という現象を利用している点です。キャンバスに隣り合って置かれた異なる色の小さな点は、少し離れた場所から鑑賞者の目で見ると、物理的に混ざり合っていなくても、網膜の上で色が混ざり合って新しい色として認識されます。例えば、黄色の点と青色の点を交互に打つと、緑色に見えるといった具合です。この視覚混合は、パレット上で絵具を混ぜるよりも、より明るく鮮やかな色彩効果を生み出すと考えられました。

3. 科学的アプローチ:当時の光学・色彩理論の応用

ポワンティリスムは、単なる思いつきの技法ではなく、当時の最新の科学理論、特に光学や色彩学の研究成果に基づいていました。ジョルジュ・スーラは、ミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールやオグデン・ルードといった科学者たちの著作を熱心に研究し、彼らが提唱した「色彩対比の法則」や「光の三原色の混色(加法混色)」といった理論を、絵画制作に応用しようと試みました。ポワンティリスムは、まさに芸術と科学の融合を目指した、極めて知的な試みだったのです。

ポワンティリスムとディヴィジョニズム(色彩分割)の違いは?

ポワンティリスムとよく似た言葉に「ディヴィジョニズム(Divisionism)」があります。日本語では「色彩分割」または「分割主義」と訳されます。この二つの言葉はしばしば同じように使われますが、厳密には少し意味合いが異なります。

ポワンティリスム:技法としての「点描」を指すことが多い

ポワンティリスムは、主に「点で描く」という具体的な絵画の「技法」そのものを指す場合に用いられることが多い言葉です。つまり、絵筆の使い方や画面の見た目といった、制作方法に焦点が当てられています。

ディヴィジョニズム:より広範な「色彩分割」の理論や考え方を含む

一方、ディヴィジョニズムは、ポワンティリスムの背景にある、より広範な「色彩理論」や「絵画の考え方」を指します。光をスペクトルに分割し、それらを純粋な色彩要素として画面上で再構成するという、科学的・理論的なアプローチ全体を意味します。この理論には、補色対比の利用や視覚混合の原理などが含まれます。

新印象派の画家たちは、ディヴィジョニズムの理論に基づき、ポワンティリスムの技法を用いた

つまり、新印象派の画家たちは、「ディヴィジョニズム」という色彩理論・絵画思想を信奉し、その具体的な表現手段として「ポワンティリスム」という点描の技法を用いた、と理解すると分かりやすいでしょう。ディヴィジョニズムが「何を」目指すかを示し、ポワンティリスムが「どのように」描くかを示す、という関係性です。

ポワンティリスムを理解する!代表的な画家と作品例

ポワンティリスムの技法が、実際の作品でどのように使われているのか、代表的な画家とその作品を見ていきましょう。

ジョルジュ・スーラ:「グランド・ジャット島の日曜日の午後」

ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」
ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」1884-1886年、シカゴ美術館蔵。ポワンティリスムの代表作。Public Domain.
「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の点描部分拡大
スーラ作品の部分拡大。純色の点が緻密に並べられているのがポワンティリスムの特徴です。

ポワンティリスムといえば、まずこの作品が思い浮かぶでしょう。スーラはこの巨大なキャンバスを、無数の色彩の点で埋め尽くしました。芝生の緑、ドレスの色、水面の輝き、光と影の表現、そのすべてが緻密に計算された点の配置によって生み出されています。近づいて見ると個々の点ですが、離れて見ると調和のとれた美しい色彩と形が浮かび上がり、まさにポワンティリスムの真髄を体現しています。

この技法で描かれたスーラのポスターを見る

ポール・シニャック:「サントロペの港」

ポール・シニャック「サントロペの港」
ポール・シニャック「サントロペの港」1892年頃。鮮やかなポワンティリスムが特徴。Public Domain.

スーラの親友であり、ポワンティリスムの熱心な実践者であったシニャック。彼の「サントロペの港」は、南仏の強烈な光と色彩を、生き生きとしたポワンティリスムで捉えています。スーラの点描が非常に細かく均質であるのに対し、シニャックのそれは、やや大きめで、より自由なタッチへと変化していく傾向が見られます。しかし、純色の点を並置し視覚混合を狙うという基本的な原理は共通しています。

artgraph.でシニャックのポスターを見る

アンリ=エドモン・クロス:「黄金の島々」

アンリ=エドモン・クロス「黄金の島々」
アンリ=エドモン・クロス「黄金の島々」1891-1892年。ポワンティリスムによる光の表現。Public Domain.

アンリ=エドモン・クロスも、ポワンティリスムを用いた重要な画家です。「黄金の島々」では、夕日に照らされた南仏の島々が、豊かな色彩の点で描かれています。クロスの点描は、スーラやシニャックとはまた異なり、より装飾的で、モザイク画のような効果を生み出すこともあります。

artgraph.でクロスの作品を見る

ポワンティリスム作品の鑑賞ポイント:もっと楽しむために

ポワンティリスムで描かれた作品を鑑賞する際には、いくつかのポイントを押さえると、より深くその魅力を味わうことができます。

作品との距離を変えて見てみよう

ポワンティリスムの最大の面白さは、作品を見る距離によって印象が変わることです。まずは作品に近づいて、一つ一つの点がどのように置かれているか、どんな色が使われているかを観察してみましょう。次に、ゆっくりと作品から離れていくと、それらの点が混ざり合い、全体の色彩や形が浮かび上がってくるはずです。この「変化」をぜひ体感してみてください。

どんな色の点が使われているか観察してみよう

例えば、緑色に見える部分も、よく見ると黄色や青、時にはオレンジや赤といった様々な色の点が使われていることに気づくでしょう。画家がどのように色彩を分割し、それらを組み合わせることで望む色を生み出そうとしたのか、その工夫を観察するのは非常に興味深い体験です。

光の表現や画面全体の調和に注目しよう

ポワンティリスムは、光の表現において特に効果を発揮します。画面全体に光がきらめいているような、あるいは内側から輝いているような独特の視覚効果に注目しましょう。また、緻密に計算された点の配置がもたらす、画面全体の調和や秩序ある美しさも、ポワンティリスム作品の大きな魅力です。

まとめ:ポワンティリスムの奥深い世界を、artgraph.の作品で体感

今回は、「ポワンティリスムとは何か?」という疑問にお答えするために、その定義、特徴、関連する画家や作品について詳しく解説しました。

ポワンティリスムは、単に「点で描く」という技法に留まらず、19世紀末の科学的な知見を背景に、色彩の鮮やかさと光の表現を徹底的に追求した、革新的な絵画のあり方でした。ジョルジュ・スーラをはじめとする新印象派の画家たちは、この技法を通じて、それまでの絵画にはなかった新しい美の世界を切り開いたのです。

この技法の秘密を知ることで、ポワンティリスムで描かれた作品を見る目が変わり、その緻密な計算と色彩の魔法に、より一層の感動を覚えるのではないでしょうか。artgraph.では、そんなポワンティリスムの魅力を存分に味わえる、スーラやシニャックの美しいアートポスターアートパネルを多数取り揃えています。ぜひ、ご自宅でポワンティリスムの奥深い世界に触れ、その輝きをご堪能ください。「アートをもっと身近に」感じていただける、素晴らしい時間となるはずです。ポワンティリスムの作品は、スマホケースメモポストカードなどの日常アイテムでも、その独特の美しさを楽しむことができますよ。

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