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セザンヌのサント=ヴィクトワール山

セザンヌのサント=ヴィクトワール山

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サント=ヴィクトワール山は、南フランス、エクス=アン=プロヴァンス近郊にある、標高1,011mの山です。ポール・セザンヌは、故郷エクスを見守るようにそびえ立つこの山を、1880年代から晩年まで繰り返し描きました。油彩、水彩を合わせて80点以上にものぼるサント=ヴィクトワール山の連作は、セザンヌの画業の集大成であると同時に、近代絵画の展開に大きな影響を与えた金字塔とされています。

サント=ヴィクトワール山を描いた時期と作品数

  • 1882-1885年頃:最初の連作。風景の中の一要素として山が描かれる
  • 1886-1890年頃:山が画面の中心に据えられ、より大きく力強く描かれるようになる
  • 1890年代後半-1906年:水彩による連作。より単純化、抽象化された山の形態が追求される
  • 油彩:約30点
  • 水彩:約50点

代表的な作品

  • サント=ヴィクトワール山(Mont Sainte-Victoire)(1885-1887年、コートールド美術館)
  • サント=ヴィクトワール山(Mont Sainte-Victoire)(1888-1890年、フィリップス・コレクション)
  • サント=ヴィクトワール山(Mont Sainte-Victoire)(1902-1904年、フィラデルフィア美術館)
  • サント=ヴィクトワール山(Mont Sainte-Victoire)(1904-1906年、チューリッヒ美術館)
  • サント=ヴィクトワール山(Mont Sainte-Victoire and the Viaduct of the Arc River Valley)(1882-1885年、メトロポリタン美術館)

セザンヌは、サント=ヴィクトワール山を描くことを通して、自然の堅固な構造を捉えようとしました。セザンヌにとって、この山は単なる風景ではなく、「自然の秩序」を体現するものでした。彼は、サント=ヴィクトワール山を単純化した形態と堅固な構図によって描き、そこに見出した「絵画的真実」を表現しました。また、セザンヌは、色彩を形態や空間を構成するための要素として用いました。異なる色面の対比や調和によって、絵画空間に独特の秩序と安定感を生み出しています。これらのセザンヌの絵画空間は、後のキュビスムをはじめとする20世紀の絵画に、決定的な影響を与えました。

サント=ヴィクトワール山は、セザンヌの芸術の精髄が凝縮された、まさに画家の「聖山」と呼ぶにふさわしいモティーフです。セザンヌは、この山を描き続けたことで、独自の絵画表現を確立しました。そして、セザンヌがサント=ヴィクトワール山に見出した絵画的真実は、近代絵画の新たな地平を切り開くことになったのです。

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