光の画家フェルメールの絵画ランキングTOP7！必見の代表作を解説
こんにちは！「アートをもっと身近に」をコンセプトに、美術館品質のアートポスターをお届けするartgraph.店長のマツムラです。
「光の画家」ヨハネス・フェルメール。彼の絵画で一番有名なのは？」「『真珠の耳飾りの少女』以外にどんな作品があるの…？」そう思ったことはありませんか？生涯で残した作品が非常に少ないフェルメールだからこそ、一つ一つの名作をじっくり味わいたいですよね。
この記事では、フェルメールの数少ない現存作品の中から、特に有名で人気の高い作品をランキング形式でご紹介します。作品の見どころや「光の魔術師」と呼ばれる理由も分かりやすく解説。あなたの心に響く、静謐な一枚がきっと見つかります。フェルメールの描く穏やかな光に満ちた室内画は、お部屋に安らぎと知的な雰囲気をもたらしてくれますので、ぜひお楽しみください。
光の魔術師ヨハネス・フェルメールとは？ 簡単におさらい
ヨハネス・フェルメール（1632-1675）は、レンブラントと並び17世紀オランダ絵画の黄金時代を代表する画家です。故郷デルフトで生涯を過ごし、市民の日常的な場面を静かに描き続けました。彼の最大の特徴は、まるで写真のようにリアルで、それでいて詩的な情感にあふれる光と影の表現です。現存する作品は30数点と極めて少なく「寡作の画家」としても知られますが、その一点一点が奇跡のように美しく、今なお世界中の人々を魅了しています。
発表！フェルメール 有名な絵画ランキングTOP7
それでは、ランキングの発表です！世界的な知名度や美術史における重要性、そして当店の人気などを総合的に判断し、「artgraph.」ならではのランキングを作成しました。現存作品が少ないため、今回はTOP7形式で、一つ一つの作品の魅力を深く掘り下げていきます。
【第7位】デルフトの眺望 - 故郷への愛が込められた唯一無二の風景画
作品解説
フェルメールが残した2点の風景画のうちの1点で、彼の最高傑作の一つに数えられます。描かれているのは、彼の故郷であるデルフトの街並み。驚くほどリアルな描写と、穏やかで澄み切った空気感は、彼が「カメラ・オブスクラ」という光学装置を使っていたという説の有力な根拠とされています。
見どころ
雲の切れ間から差し込む光が、街の一部を明るく照らし出す劇的な光景が見事に捉えられています。手前の建物の壁のざらざらした質感から、遠くの教会の塔のディテールまで、その描写力は圧巻です。フェルメールの故郷に対する深い愛情が感じられる、静かで壮大な作品です。
【第6位】レースを編む女 - 静寂の中に宿る驚異的な集中力
作品解説
フェルメールの全作品の中で最も小さい作品の一つですが、その魅力は大きさに比例しません。レース編みに没頭する女性の姿を描いたこの作品は、静寂と穏やかな緊張感に満ちています。彼女の周りだけ時間が止まっているかのような、不思議な感覚を覚えます。
見どころ
鑑賞者の視線を、女性の指先へと巧みに誘導する構図が見事です。手前から流れ出る赤い糸のほつれや、背景の壁に落ちる影の柔らかな表現など、細部までこだわり抜かれています。ピントが合っている部分と、意図的にぼかされた部分の対比（被写界深度）は、まさに「光の魔術師」の真骨頂です。
【第5位】絵画芸術 - 画家のアトリエを描いた謎多き傑作
作品解説
フェルメール自身が最も大切にし、手放さなかったとされる作品です。画家のアトリエの様子を描いていますが、多くの寓意（アレゴリー）が隠されていると言われ、様々な解釈がなされています。モデルの女性は名声や歴史を象徴し、画家の背中越しに、私たちは芸術が生まれる瞬間に立ち会っているかのようです。
見どころ
手前に掛けられた重厚なカーテンが、私たちを絵画の世界へと誘います。奥の壁に掛けられた地図の精密な描写、床のタイルの質感、そしてモデルの女性の衣服に落ちる光の粒「ポワンティエ」の表現は圧巻。フェルメールの技術と芸術観が凝縮された、まさに集大成ともいえる一枚です。
【第4位】地理学者 - 知的好奇心と探求心
作品解説
フェルメールが男性を単独で描いた珍しい作品で、『天文学者』とは対になる作品と考えられています。17世紀オランダは、大航海時代を経て世界貿易の中心地として栄えました。この絵は、当時の人々の地理学への関心や、未知の世界への探求心といった知的な活気を反映しています。
見どころ
窓から差し込む光が、男性の額と思索にふける表情をドラマティックに照らし出しています。彼がまとっている日本の着物を思わせる室内着は、当時のオランダと東洋の交流を示唆しています。知的な雰囲気が漂うこの作品は、書斎やリビングに飾るアートパネルとしても人気です。
【第3位】手紙を書く女 - 穏やかな日差しと心の機微
作品解説
手紙を書く女性という、フェルメールが好んだテーマの一つです。何かを書き綴る途中、ふと顔を上げてこちらを見つめる女性。その親密な微笑みは、鑑賞者を絵の世界に引き込みます。彼女は何を思い、誰に手紙を書いているのでしょうか。想像が膨らむ作品です。
見どころ
この作品の主役は、なんといっても「光」そのものです。女性が羽織った黄色い上着に落ちる柔らかな光のきらめき、そして真珠のイヤリングや首飾りの鈍い輝きは見事としか言いようがありません。特に上着の袖の質感表現は、フェルメールの卓越した技術を示しています。
【第2位】牛乳を注ぐ女 - 日常の一瞬を捉えた永遠の傑作
作品解説
ありふれた日常の一場面であるにもかかわらず、見る者を惹きつけてやまない、圧倒的な存在感を放つ作品です。牛乳を注ぐという単純な行為に集中する女性の姿には、労働の尊さと静かな威厳が感じられます。アムステルダム国立美術館の至宝として知られています。
見どころ
画面左の窓から差し込む光が、女性の額や肩、そして注がれる牛乳の表面に見事に反射しています。パンのゴツゴツとした質感や、壁に掛けられた籠の描写も非常にリアルです。フェルメール・ブルー（ラピスラズリ）と黄色（鉛スズ黄色）の鮮やかな対比が、画面に生命感を与えています。
【第1位】真珠の耳飾りの少女 - 北方のモナ・リザ、謎めいた微笑み
作品解説
堂々の第1位は、フェルメールの全作品の中で、そして美術史全体においても最も有名な肖像画の一つ『真珠の耳飾りの少女』です。「北方のモナ・リザ」とも呼ばれ、その謎めいた魅力で世界中の人々を虜にしています。特定のモデルを描いた肖像画ではなく、「トローニー」と呼ばれる、架空の人物を描いた習作の一種と考えられています。
見どころ
暗闇からふっと浮かび上がる少女の、潤んだ瞳とわずかに開かれた唇。何かを語りかけてくるかのような、その一瞬の表情が見事に捉えられています。そして、この絵のハイライトである耳飾りの真珠は、実はたった数回の筆触で描かれているに過ぎません。光と影を巧みに操り、質感や輝きを表現する「光の魔術師」フェルメールの技術の結晶と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。今回のランキングはartgraph.独自の視点によるものですが、現存する37点（※諸説あり）のフェルメール作品は、どれもが美術史上の奇跡と言える傑作ばかりです。ぜひ、他の作品にも触れて、その静謐な世界の虜になってみてください。
番外編：こちらも注目！フェルメールの名作
惜しくもランキングには入りませんでしたが、フェルメールを語る上で欠かせない作品をご紹介します。
- 『取り持ち女』(1656年): フェルメール初期の風俗画。他の作品とは一線を画す、賑やかで少し猥雑な雰囲気が特徴です。左端に描かれた男は、フェルメールの自画像ではないかと言われています。
- 『合奏』(1664年頃): 1990年に盗難に遭い、今なお行方不明となっている悲劇の作品。フェルメール作品の中で唯一、未解決の事件に関連しています。
フェルメールの作品はどこで見られる？主な美術館
フェルメールの貴重な作品は、世界中の限られた美術館でしか見ることができません。
- マウリッツハイス美術館（オランダ・ハーグ）: 『真珠の耳飾りの少女』『デルフトの眺望』など3点を所蔵。
- アムステルダム国立美術館（オランダ・アムステルダム）: 『牛乳を注ぐ女』『手紙を読む青衣の女』など4点を所蔵。
- ルーヴル美術館（フランス・パリ）: 『レースを編む女』『天文学者』の2点を所蔵。
- メトロポリタン美術館（アメリカ・ニューヨーク）: 『水差しを持つ女』など5点を所蔵。
お気に入りのフェルメール作品をお部屋に飾りませんか？
フェルメール作品の魅力は、何と言ってもその静謐な雰囲気と、穏やかで美しい光の表現にあります。日常の何気ない一瞬を切り取った彼の絵画は、お部屋に知的な落ち着きと、安らぎの時間をもたらしてくれるでしょう。
artgraph.では、フェルメールの代表作を、高精細なアートポスターや立体的なキャンバス作品としてご用意しています。印刷のプロが手掛ける「美術館品質」のプリントで、フェルメール・ブルーの鮮やかさや、光の粒子のきらめきをご自宅で再現。一枚飾るだけで、いつもの空間が、洗練された特別な場所に変わりますよ。
まとめ：フェルメールの魅力と時を超える普遍性
今回は、「光の画家」ヨハネス・フェルメールの有名な絵画をランキング形式でご紹介しました。彼の芸術の核心は、17世紀オランダの日常の一瞬を切り取りながら、そこに光と影の魔法をかけることで、時を超えた普遍的な美しさを与えた点にあります。だからこそ、350年以上経った今も、私たちは彼の絵画の前に立つと、心が静かに満たされるような感覚を覚えるのでしょう。
この記事が、あなたとフェルメールの素晴らしい作品との出会いのきっかけになれば幸いです。ぜひお気に入りの一枚を見つけて、アートのある暮らしを楽しんでみてください。
